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Editor's blog

TRANSITチーフ・エディター、加藤直徳が中心となって発信する製作の裏側

作り手の意匠が光る2冊の本

仕事柄かいろいろな出版社から新刊が届く。嬉しいことに週に何冊も来るから、
なかなかゆっくり見る機会がない。けれど今日は異なるタイプの興味深い本が同時に届いた。

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1冊目は石川直樹氏の『世界を見に行く。』リトルモア刊。

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世界中の写真がポストカードになっている。手紙を書くために裏はホワイトスペース。
全写真にはその土地のキャプションが付けられている(この短い文がまた巧い)
そしてポストカードを使い切ったら、小さな本となり「完成」する仕組み。
あまり大きな判型ではないので、実際に旅先に持っていって手紙を出したくなる。

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表紙まわりは折り込まれた世界地図となっており、石川直樹氏が巡ったルートも記されている。
オールカラーでcoverが地図、ポストカードの切り取り線も付けられ、デザイナーの技が光る。
あとがきは糸井重里氏。凝りに凝った贅沢な本だ。

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一方、2冊目は池田浩明氏の『パンラボ』白夜書房刊。

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全ページがモノクロページ。紙はざら紙を採用している。本の質量は非常に軽く、
丸めていつも持っていられる印象を受ける。しかし何よりも強烈なのはその中身。
写真が綺麗なだけで結局何が言いたいか分からないお洒落パンガイドではない。
小麦の話に始まり、作る、切る(!)、歴史...まで懇切丁寧に編集されている。
もちろん世界中の様々なパンについても言及。古めかしい菓子パンからカツサンド、
クロワッサン、ドイツパン(!)などなどなど......めちゃくちゃく詳しく説明されている。
この本以外はパンについては生涯要らんわ!と思ってしまった。うーん、素晴らしき編集魂。

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この2冊を見て考えさせられたのは、営業会議で受ける本だけが良書ではない、
という当たり前の事実。版元にいて会議に出れば(実際僕もそうだった)、
えー、コスト掛かるじゃん、パン本なんて腐るほどあるじゃん、著者のこと知らないし~
なんてどうでもいい理由で企画はつぶされていく。または編集者の本質からずれていく。
この本がどんな経緯で出版に至ったかなんて僕は読者だから関係ないが、
確かに意匠を感じる。作り手が後ろに見える。

編集者になったばかりの頃を思い出しちょっとおセンチ(古い)な気分になった今宵、
僕はとても気分がいい。こんな情熱がこもった本に出会えたのだから。2冊同時に。

金沢で家具散歩~TORi

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SLANTさんに伺った際のもう一つの楽しみは、金沢の寿司や海鮮丼......ではなく、
いや、それもそうに違いないが、1階下にある北欧インテリアショップ「TORi」。
丁寧にメンテされた北欧家具が適正な価格(だと僕は思う)で揃っている。

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家具は一期一会の邂逅だと思っているから、容易には惚れまいと心して
店に滑り込むのだけれども、ここだと毎度出会ってしまうから不思議だ...。
今回は皿2枚と蝋燭、ずっと探していたソファをオーダーしてしまった。魔力。

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魅力は何よりもオーナー梨野さんの人柄。朴訥な印象で口数は少ないが、
知識や審美眼、売ろうという気があまり感じられない所が大好きなのだ。

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家具の他にも照明のセレクトが秀逸。雑貨類もツボな選球眼で揃っている。
ちなみにTRANSIT&Birdのバックナンバーも置いてもらっています。

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そして飲み屋に繰り出す際、繁華街「香林坊」の入り口で嫌でも目にするのは、
エムトラベル」さんに飾られた巨大ポスター。金沢の若者を冒険旅に誘い続けている旅行会社だ。
何せキャッチコピーは「君は行くのかそんなにしてまで」なのだ。最高すぎる。
SLANT、TORi、そしてエムトラベル。金沢は僕にとってうれしすぎる街なのである。

金沢ギャラリーSLANT~石塚元太良 写真展

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~『GOLD RUSH ALASKA CHILKOOT TRAIL』~

金沢のギャラリーSLANTで行われている石塚元太良氏の写真展を見てきた。
大小2サイズのオリジナルプリントを展示。

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ゴールドラッシュの残映をALASKAで追いかけた作品群。
氷河の静寂な世界観にも通底するが、今回の作品は緑がものすごく鮮やかで目にくる。
そしてプリントがどこまでも美しく、木材のシンプルな額装もより作品を際立たせる。
これを見られただけで金沢くんだりまで来た価値は大いにあった。

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それから初の日記のリリース。東京でも少しずつ販売するようだが、
基本的にはSLANTでの展開になる。SLANTならではの作家と共にコンセプトを熟成させ、
独自に印刷物まで作ってしまうindependentな展開に惹かれる。本当に素晴らしい。

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月曜日が定休で1月29日(日)まで。


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