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長尾智子『あさ・ひる・ばん・茶 日々の小話64』

Info | 2010.08.03

料理研究家、長尾智子さんの新刊が届いた。
『あさ・ひる・ばん・茶 日々の小話64』と題された
長尾さんの日常のエピソードが集められたエッセイ集だ。
ちなみに長尾さんにはモロッコ号でコラムを執筆していただいている。

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5年の歳月をかけて紡がれた「レシピからこぼれたささやかな話」は
料理への思いで満たされている。そして、生成りの紙とざらっとした
温かみのある質感が手に伝わってくる。紙、やっぱりいいなあ......。

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本書を読むと、「食」というのは、技術的な云々も重要かもしれないけれど、
日々のちょっとしたアイデアや工夫でとても素晴らしいものに
なるんだな、ということを再認識することができる。
コンビニやファストフードで簡単に済ませてしまったりもするけれど、
食材を選んで、調理してという過程にはもっと充実した時間がある。

いつもなら捨ててしまう「ほうれん草の根元」も、
おいしいフリットにしてしまうとは、まさに魔法。そんな小話に満ちている。

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イラストはパリやNYで活躍するフィリップ・ワイズベッカーさんによるもの。
繊細なタッチがこの本にとてもよく合っている。
本編は長尾さんの文とワイズベッカーさんのイラストのみで構成。
究極にシンプルではあるが、本を読んでいるうちにその世界感に
いつしか浸っていて、「あぁ、こういう料理がつくれたら...」とか
いろいろな思いを巡らせている自分がいる。
料理以外にも、お茶、キッチンツールや食器と幅広く触れられていて、
普段の生活のなかで試してみたいヒントがたくさんちりばめられている。
本書、ある意味巷のレシピ本などよりも「実用書」なのかもしれない。


『あさ・ひる・ばん・茶』
著者:長尾智子
発行:文化出版局
価格:1,500円(税別)