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INTERVIEW:クリエイティブチーム「HJGER」

Info | 2010.11.18

シンガポールのクリエイティブチーム「HJGHER」の二人が先日、編集部にやって来た。
クリエイティブディレクターJustin LongとアートディレクターのJerry Goh。

ウェブデザインからイベントのオーガナイズまで幅広く活動する彼等だが、
2010年はカルチャー・ライフスタイル・マガジン『UNDERSCORE』を創刊。
国際的なデザイン&広告賞である「Yellow Pencil」の雑誌部門にノミネート、
先日のDESIGN TIDE TOKYO 2010にも出品するなど、既に世界からの注目度も高い。
彼等の理想の雑誌像や今後の活動について...
「雑誌に元気がない」と言われて久しい今、2人に聞きたいことがあった。

---------- TRANSIT加藤(以下T):先日はTIDEでどうもでした。自転車を展示していましたよね?

UNDERSCORE(以下U):はい。僕らが思いのままに造ったオリジナル自転車を展示していました。直線や曲線にこだわった、美しいフォルムの自転車を造りたかった。それで完成したのがあれです。世界に4台しかないんです!

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---------- T:カッコよかったです。美しい曲線で、空気みたいな存在感の無さが凄い。

U:ありがとうございます。実はあのイベントを皮切りに、4台セットで展示していく予定だったのですが、嬉しいことに2台売れて残り2台になっちゃったんです(笑)

---------- T:じゃあ、4台揃って見られるのは、あの日が最後だったんですね。ところで、一緒に販売していた雑誌があったじゃないですか?見た瞬間、久々に「良い雑誌に出会った!」って思ったんです。特にあの昆虫のイラストが印象的でした。

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U:これは、コーネリア・ヘッセ=ホネッガーっていうスイス人の女性アーティストがいるんですが、彼女が顕微鏡で見てスケッチしたものなんです。本当はすごく小さい虫。チェルノブイリ原子力発電所の近くで採集した虫なんです。左右非対称だったりするでしょう?これはノーマルではなく、奇形なんです。

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---------- T:へぇ...チェルノブイリでか...。すごいな。突然ですが、今後なにか一緒にやりたいんですけど、どうでしょうかね?シンガポールと日本を絡めた、記事とか写真の提供とか、雑誌同志の交流というか。情報交換含め、例えばイベントとかも絡めて。日本人の写真家がシンガポールで展示会したりとか、シンガポール人の写真家を呼んで来て、日本でやったりとか。そういう交流したいです。

U:それはいい!もちろん、必ずやりましょう!! 僕らはシンガポールのコネクションもあるし。やることになったら、TRANSITのバックナンバーとか全部もって来てください!僕らTRANSITのファンだから(笑)。まず、シンガポールでやるのは簡単ですよ。シンガポールは小さいから。友達の友達は友達なんですよ。だから、繋がりたい人にすぐ繋がる。

---------- T:これまでにも何か他の雑誌を作っていたんですか?

U:ないです。ただただ、僕らは本当に雑誌が好きなんです。だからコレクションはすごいよ。良い雑誌も悪い雑誌も、世界中の雑誌を。そんなコレクションの中でも、TRANSITは本当に良くできてると思います。

---------- T:部数はどれくらい?日本でも買えますか?

U:僕らは新しいから、小さく始めないととは常に思っています。大きくやるのはそのうち。発行部数で言うと、創刊号は2500冊で2号目は4000冊。全部売り切れました。ヨーロッパ、オーストラリア、日本...と、世界中に配布しています。日本では現在「ユトレヒト」に置いてもらっています。3人で立ち上げた極小出版社。でも僕らが本当にしたいことだから。

---------- T:なるほど。それと気になっていたのですが、雑誌のタイトルについて教えてください。

U:実を言うと、本当は雑誌タイトルはつけたくなかったんです。「UNDERSCORE」には2つの意味があります。ひとつは特集やハイライトのこと。雑誌自体のタイトルじゃなくって、ハイライト(特集部分)を際立たせたいという思いがりまして。もうひとつは、バックグラウンドミュージック(サウンドトラック)。誌面には、各記事に合わせて音楽タイトルが書いてあります。僕らは、仕事の時に大量の音楽を聞くんだけど、誌面には、僕らがそれぞれの記事を読む時に聞いてほしいと思った音楽をチョイスして載せています。しかもそれらの音楽は、僕らのHPでダウンロードできます。無料で。雑誌の空気を感じて欲しい、雰囲気に浸って欲しいから、ぜひ音楽を聴きながら読んで欲しい。

---------- T:誌面だけれど、五感を大切にしてるんですね。

U:そうですね。他にもこの最後のページは、切り取れます。すごいリアルな描写だから、始めに見た時にピンときて。額に入れて部屋に飾って、ずっと眺めていたいって思った。それでこういう風な仕掛けに挑戦しました。本当に、やりたいことだけをやらせてもらってます。やっぱり雑誌が好きなんですね。

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付録として1枚illustrationが付属している。額装して飾れるような仕様になっている。

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仲間と3人で立ち上げたクリエイティブ・エージェンシー「HJGHER」で、商品のブランディングからビジュアルコミュニケーション、キャンペーンからイベントまで、幅広く活動。2人が立ち上げた雑誌『UNDERSCORE』は、現在2号目が青山「ユトレヒト」で発売中。