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INTERVIEW:『180°SOUTH/ワンエイティ・サウス』ジェフ・ジョンソン&キース・マロイ

Info | 2011.01.27

以前、TRANSITのWEBでも紹介した映画「180°SOUTH/ワンエイティ・サウス」が、
2/10(木)まで東京のシネクイント渋谷で公開中(全国20ヶ所以上で順次公開を予定)。

今から40年以上も前、パタゴニア社の創業者・イヴォン・シュイナードと、
ザ・ノース・フェイス社の創業者・ダグ・トンプキンスが、
カリフォルニアから南米パタゴニアまで旅をした記録がベースとなっている本作。
その二人の思いを受け継ぐように若い世代の冒険者たちが新たな旅に出た。

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映画に出演したジェフ・ジョンソンと、キース・マロイが来日したのを機に、
二人にパタゴニアの自然のこと、イヴォンやダグのこと、旅について語ったもらった。

---------- TRANSIT(以下T):渋谷の街はどうですか?

キース・マロイ(以下K):ほかでは味わえない街だからね。東京に来て、ここの生活を見るのを楽しんでいるよ。駅前の交差点にも今日行ってきて、写真や動画を撮ったんだ。

ジェフ・ジョンソン(以下J):渋谷のお店やファッションも面白い。「BARACCA」(92米)という世界のいろいろなカルチャーを映し出す映画があってね。日本も出てくるんだけど、それを思い出したよ。

---------- T:パタゴニアは東京とは正反対の場所だと思うのですが、旅をしてみてどうでしたか?

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J:僕は未開拓でずっと広がっている場所が好きなんだ。パタゴニアはまだ全然開発されていなくて、とてもワイルド。たくさんの人がいるわけでもないしね。僕はあそこにいると呼吸しているって気がする。スペースがあるってことが一番大切なことだね。

K:僕も人があまりいなくて、土地が広い場所が好きだね。でも同時に、さっきも言ったとおり東京に来るのも楽しいし、都会生活も興味深い。でも、大きな街には住めないかな。チリのパタゴニアは手つかずの場所の一つでとても美しい。そのことにとても感謝してるよ。

---------- T:イヴォン、ダグの思いが、お二人のような若い世代にも引き継がれていることに感動しました。彼らの環境に対する取り組みについてどのように考えていますか?

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K:イヴォンは環境保護主義者で、彼の仕事を通し、他のビジネスに対してどのように環境へ配慮するかを示している。僕はそれをとても大切なことだと考えているよ。もし他の企業すべてが、パタゴニアが掲げている環境への考えを取り入れたら、それはとても大きな助けになる。イヴォンは同時に、彼が何をしようと、ビジネスをしている限り廃棄物は出してしまうし、それを避ける方法はないと言う。でも、できる限りゴミを減らすようにしている。ダグはまた違うタイプ。彼はビジネスで成功して、お金をもうけた。その後に、環境がどれほど大切かに気づいたんだ。それで、それらのお金をすべて使って環境を守ろうとしているんだよ。彼らは二人とも環境保護主義者だけど、異なる考えを持って、別々のことをしている。

J:イヴォンも彼自身のお金をパタゴニアのために使っている。クリス・トンプキンス(ダグの妻。パタゴニアのCEOを務め、現在はパタゴニアの自然保護活動を推進するコンセルバシオン・パタゴニカ代表)がチャカブコと名付けたもっとも新しい国立公園の一つを購入したんだ。ここは映画の最後の場面が撮影された場所でもある。それから、チャカブコの隣にあるたくさんの土地も購入して、それを国立公園として寄付しているわけだから、ダグと同じ行為をしているとも言えるね。とってもたくさんの土地だよ。

---------- T:イヴォンとダグが40年前にした旅の映像を見たときに、何を感じたのですか?

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J:僕はずっとロッククライミングとサーフィンをすることに情熱を傾けていて、子どもの時はスキーをやっていた。だから、映画のなかにそれらが全部あるのを見て、僕がやりたいことが全てつまっていると思ったんだ。彼らはどれもやっていた。スキーの映画、クライミングの映画、サーフィンの映画というのはあったけれど、これは全部が一緒になっていたから、そんな映画を作ったら面白いと思ったんだ。でも、それよりももっと魅力的だったのはイヴォンとダグだね。有名になる前の彼らが映っているから、とても重要なフィルムだよ。あの旅が二人を変えた。イヴォンはあの旅から戻ってから、パタゴニアを作ったんだ。だからみんなにあのフィルムを見てもらうことが大切だと思った。同時に、僕もクライミングをして、サーフィンをして、旅をしたいと考えたんだ。

K:あの旅は究極のアドベンチャーなんだ。あれはただクライミングやサーフィンを見せるのではなくて、チリの奥に入っていく旅の映画なんだ。あんなふうに長い旅をすることは、ただサーフィンやクライミングをすることよりも大切。そういう意味でも、あの旅はとてもベストと言えるもので、とても刺激的だった。

---------- T:イヴォンは、予期していないことが起きたときこそ、本当の意味での冒険が始まるんだということを映画の中で言っています。お二人の旅についての考えを聞かせてください。

J:イヴォンが言うことに僕も賛成だね。僕は旅をする時、計画しないほうが好きなんだ。プランがなければ、その時に起こることに対してオープンになれるからね。今回も事故が起きた時、そのことが人生はミステリーで、次に何が起こるかわからないことを教えてくれた。それはとても心躍るものだったよ。その結果、素晴らしい出会いがあったわけだから、予想出来ない旅こそが楽しいね。もしすべてが計画されていたらつまらないと思うよ。

K:僕はチャレンジすることが本当の冒険なんだ。人生においても挑戦しているときこそ多くのことを学べると思う。バケーションとしての旅ではリラックスできるけど、本当の冒険では綿密な計画もない。自分のやりたいことがあって、障害を乗り越えなければいけないけれど、僕にとっては最終的にそれが一番満足できるものなんだ。長い道の途上で何かを学び取っていくわけだね。

---------- T:先週、監督のクリス・マロイ(キースの実兄)が、「この映画にはたくさんの素晴らしい人たちが出演しているけれど、本当の主役は自然なんだ」と言っていました。今度は、自然についてお二人が考えていることを聞かせてください。

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J:僕はいつだって自然に関わることに魅了されてきた。僕はアスリートだから、身体の面でも活動的でありたいと思っている。クライミングやサーフィンは、自然と対話できるという点で素晴らしいんだ。最も大切なことは自然との関係性だと思う。自然と戦うことはできなくて、自然に働きかけるんだ。クライミングをする時、山を征服するという人もいるけれど、征服するのではなく、山と共にあり、山を理解する。そのときすべてのことは、自分の間合いでなくて、山の間合いに合わせるんだね。それが自然に寄り添って生きるために重要な方法だと思うよ。クライミングやサーフィンは、いいバランスで自然と共生する方法を与えてくれるものなんだ。

K:この映画が伝えてくれる、とても美しい自然は僕たちの想像力を喚起してくれるものだね。今日、手つかずで自然のまま地球に残されている最後の場所を守ることが、どれだけ大切なのか気づくの大切なんだ。

---------- T:映画の中のストーリだけではなく、作品を製作する過程でも素晴らしい物語があったかと思うのですが、撮影中のエピソードについて話していただけますか?

K:みんながいい友達だったね。だから撮影中、一緒にキャンプをできたのはよかった。それほど多い数ではなかったから、一緒に食べて、生活して、みんなで旅をしていると感じることができたんだ。撮る側も、撮られる側も、同じ目標に向かっていたんだね。みんなが一緒にいたからこそ、素晴らしい経験になったよ。ジェフがボートの上にいた時は、彼ともう一人のフォトグラファーだけだったね。

J:そうそう。彼はまだ22歳か3歳と若く、ビデオ撮影を勉強していたんだけど、とてもよくやってくれた。アクシデントが起こったときもばっちり撮影してくれたしね。

---------- T:日本にいるみなさんへメッセージをいただけますか?

K:映画を見て、楽しんでほしいな。旅をして、自然の中に入っていくことは、人生において大切なものになると思う。僕は本当に多くのことを自然を旅することから学んできた。

J:映画がみんなにとって何かをもたらしてくれるものになってほしいと思う。携帯電話やTVのスイッチを切って、パソコンを脇にやって、外に出て行き、そこに何があるのかを見てほしい。

---------- T:ありがとうございました。
ところで、パタゴニアの大自然を描いた映画が、東京のど真ん中にある渋谷で上映されているのは面白いですね。

J&K:本当、強烈なコントラストだね!

K:でも、僕は映画を見て、後ろめたい気になる必要はないと思うんだ。映画を見ることで、前向きに考えるようになってくれたらと思うよ。僕たちだって大都会に来て、こうしてスターバックスのコーヒーも飲んでいるわけだしね! 都市生活を糾弾するのではなく、この映画が映し出す自然の美しさを楽しんでもらえばいい。それを人は時々忘れてしまうから。


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ジェフ・ジョンソン

サーファー、フォトグラファー、ライター。パタゴニア社のスタッフフォトグラファーを務めながら商品開発まで行う。本作での旅についての本を、現在執筆中。

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キース・マロイ

サーファーとして有名なマロイ3兄弟の次男。冒険家としての顔を持つサーファー。現在、パタゴニア社のアンバサダーとしても活躍中。


映画「180°SOUTH/ワンエイティ・サウス」
公開中(シネクイント渋谷では2/10(木)まで。全国20ヶ所以上での順次公開を予定)
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