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山村雅昭写真集
『ワシントンハイツの子供たち』発売

Info | 2012.08.30

「ワシントンハイツ」----それはかつて東京・代々木にあった、在日米軍施設。
そこをいま私たちは、「代々木公園」と呼び慣れ親しんでいる。

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そんな、当時外界と隔離されるように存在していた居住地のなかをきりとった、
故・山村雅昭氏による写真集『ワシントンハイツの子供たち』が刊行される。
全344ページを彩る子どもの写真は、20歳前後の彼がおよそ3年にわたり撮りためたもの。

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生き生きと写真に宿った子どもたちは、くるくると万華鏡のように表情を変える。
それはときに天使のように無垢で、ときに悪魔のように残酷だ。

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ただひとついえるのは、
戦後まもない60年安保の時代に撮られた写真からは、
政治的なものをなにひとつ感じることがない。
映っているのは、どこにでもいる普通の子どもたちだ。

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たしかに写真は、現実という複雑怪奇で豊富な内容を、
ある一定の瞬間に固定する唯一の表現手段である。
だから写真家は、つぎからつぎへと流失して行くこの現実を向こうにまわして、
いつもアクチュアルに勝負をいどんでいなければならないのである。
人間の顔一つをとるにしても、その人物に対して写真家は受動的な傍観者ではなく
その人間の内面に自分自身を積極的にはいり込ませなければ
すみずみまで見通すことはできない。
とられる対象と写真家のレンズの目があの限られたわくの中で衝突する場において、
真の新しい映像が生まれるのである。
つまり写真を写すこと自体は、とる者ととられるものとの人間的かっとうにほかならず、
その瞬間に写真家は1/1000秒でシャッターを切るのだ。(本文より)

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山村氏の鼓動が聴こえてくるような一冊は、
彼の作品を知る上で、欠かすことのできないものとなるだろう。


山村雅昭写真集『ワシントンハイツの子供たち』
THE CHILDREN LIVING IN WASHINGTON HEIGHTS 1959-1962

写真:山村雅昭
定価:¥7,350(税込)
発行:山羊舎
*1,000部限定発行


山村雅昭写真展『ワシントンハイツの子供たち』
開催時期:8/27(月)〜9/9(日)

開催時間:12:00〜19:00

会場:Photo Gallery Place M

*関連トークイベント
出演:鬼海弘雄×瀬戸正人
会場:Photo Gallery Place M
日時:9/1(土)19:00〜
料金:¥900
定員:60名
お問い合わせ&ご予約:申し込みフォームまたは yamamura@placem.com までメールにて


山村雅昭(やまむら・がしょう)
1939年、大阪生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。1967年、自身初の個展となる「奢りへの戴冠」(銀座・村松画廊)を開催。1974年から植物の撮影を開始、1976年に第二回個展「植物に」(ニコンサロン)を開催。同時に写真集『植物に』(TBデザイン研究所)を発行、第一回伊奈信男賞を受賞。1979年、ICP「Japan: A Selfportrait」(ヴェネツィア)展に出品。1987年2月28日に急逝。翌1988年に写真集『花狩』(アドバタイズ・コミュニケーション)完成。追悼展「そして花狩」(ニコンサロン)開催。1990年、「山村雅昭写真展」(GIP TOKYO、韓国)開催。