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富士山、世界文化遺産登録へ向けて

Info | 2012.10.24

その美しくも荘厳な山容で古くから人々の心を引き寄せ、
日本を代表する山として親しまれてきた霊峰、富士。

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年間3000万人以上の観光客と40万人の登山客が訪れるといわれる、
いまや日本が世界に誇るシンボルのような存在だ。
しかし、その美しいイメージとは裏腹に、登山客によるポイ捨てやし尿問題による
汚染状況から、長きにわたり「ゴミの山」と呼ばれてきたのも事実。
なかでも酷かったのは、山頂付近のトイレから垂れ流される大量のトイレットペーパー。
分解されることなく山肌にこびりつき、まるで「白い川」のようになっていたのだ。

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しかし今では、山小屋にはし尿を一切外に出さない環境バイオトイレが完備。
5合目以降はボランティアや山小屋のスタッフの努力により清掃が行き届き、
汚染状況はかなり改善されたと言ってもいいだろう。
とはいえ依然、麓の広い範囲では廃棄物が多く、世界遺産登録の障壁となっている。
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この問題に立ち向かっているのが「富士山クリーンプロジェクト」。
"静岡県民の力で富士山をきれいに"という想いから、6年前にはじまった活動だ。
富士山の環境改善に取り組むNPO団体富士山クラブやアルピニストの野口健氏、
静岡県内の協賛企業、そして県内外から呼びかけに集まったスタッフたち
総勢130人が、今年も朝霧高原に集まった。

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まずは周辺を2時間程度のトレッキング。
からりと晴れた秋空の下に、富士のパノラマが広がる。

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今年は豊作のため、収穫しきれなかった大根の山。乾燥させて肥料にするそう。

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猛毒をもつトリカブトに遭遇。
富士ガイドによるレクチャーを受け、この山の多様な生態系に触れる。

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昼食をとった後、富士の樹海の一角での清掃活動がはじまった。
ゴミを拾うのは、昭和40年頃に地元住民や業者による不法投棄が絶えなかったエリア。
トラックで運ばれたとみられる建設廃材や一般廃棄物、自動車やタイヤ、感電池、
おもちゃや家庭用品に至るまで、大小さまざまなあらゆるゴミが報告されている。

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スコップを使い、地中からゴミを堀り返していく。
ガラスやビニールは粉々になり、布状のものにはもはや植物が根を張っている。

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清掃終了後には、ゴミのユニーク度を競い合う「ゴミコンテスト」が開催。
エベレストでのゴミのエピソードや、富士山清掃をはじめたきっかけなど、
野口氏によるトークもここで。世界遺産は登録自体が目的ではなく、
それにつづく、国民の意識の向上や環境維持が真の目的だと気付かされる。

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古来より信仰の対象として崇められ多くの歴史や文化を生み出してきた富士は、
現在「世界文化遺産」への登録を、ユネスコ世界遺産センターに申請中。

その結果は、2013年6月、カンボジアで開催される世界遺産委員会で発表される。


富士山クリーンプロジェクト
*富士山の世界遺産登録についての詳細はこちら