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100年前の世界と出会う

Info | 2013.08.29

世界中の"驚き"を届けつづける
ナショナルジオグラフィック社より新しく発売された、
写真集『100年前の写真で見る 世界の民族衣装』をご紹介。

本誌は約1世紀前の人々が、日常で着ていた服装を今に伝えるビジュアルブックだ。
各地で1点1点手作りされた衣服は、それぞれの風土や文化を全面に引き出す。

20130829_003.jpg1921年、モンゴル ©HORACE BRODZKY

裕福な人間であることを象徴する、銀の装飾品で髪を飾る女性。
頭の装飾と長い袖が特徴的で、布が縫い合わされてできている繊細な衣装を纏う。

20130829_002.jpg1914年、アルジェリアの踊り子 ©LEHNERT & LANDROCK

移動の多い遊牧民族には、貴金属を財産として身につける習慣がよくあり、
頭から垂れる装飾は金貨であり結婚資金。きらびやかな装飾品を身につけた彼女は、
ベリーダンスの元となったダンスを披露し、稼ぎが結婚資金に達すると帰郷したそう。

20130829_006.jpg1931年、チベットの少数民族モソの男たち ©DR. JOSEPH F. ROCK

中国の雲南省と四川省にまたがる濾沽(ルーグー)湖の近くに暮らす彼らは、
ナシ族の一部に含まれ、現在の人口は4万人ほど。
戦闘用の服に身をつつみ、山賊の襲撃から身を守るために
銃を持ち、戦闘態勢をとり警戒している様子。

20130829_007.jpg1930年、ポーランドの花嫁 ©HANS HILDENBRAND

ポーランド中部に位置する小規模な都市、ウォヴィチ近郊の伝統的な花嫁衣装。
頭飾りの花束のようなきらびやかで繊細な装飾が目を引く。
淡い色合いのストライプ柄のスカートは、普段からも着られる伝統的なもの。
輝くビーズや、スパンコールをもあしらい、優しく愛らしい仕上がりにため息がでる。

20130829_001.jpg1913年、ロシア、ダゲスタン共和国、南ダゲスタンの女性 ©GEORGE KENNAN

現在のロシア南部、黒海とカスピ海に挟まれた場所に位置する南ダゲスタンの女性は、
惜しみなく宝石で飾り、ドレスを纏う姿から裕福な暮らしぶりが伺える。
眉をくっきりとつなげる化粧は、現在でも中央アジアの国やイランでは、
美人の条件とも言われているそう。

20130829_005-1.jpg1932年、ブルガリア ©WILHELM TOBIEN

羊毛をつむぐ農家の女性たちは、"ポマク"と呼ばれるイスラム教徒。
繊細な刺繍が施された服の重ね着を楽しむ。
農家だが、ヒールのある靴を履き働く。

ここで紹介する写真は、書籍の中のほんの一部。
誌面では日常の服装、特別な日の装い、アッパークラスの装い、
子どもの姿など人や場面別に展開し、その姿を写し出す。

今では旅先のお祭りなどで、その土地の民族衣装を見る機会は少なくない。
しかし、この本ではそれを日常で着こなす人々に出会える。

100年前の日常は、現代からすると非日常的に映り、
1枚の絵のように美しい衣服に身をつつむ人々が、私たちを魅了する。

たくさんの地域が集約され、捲るたびに全く異なる世界へ。
当時の人々の暮らしや生きざまなど今はなきその姿を、
後世に伝える魅力的な一冊となっている。


『100年前の写真で見る 世界の民族衣装』

発行:日経ナショナル ジオグラフィック社
発売:日経BPマーケティング
   240ページ/ソフトカバー
料金:¥2,730(税込)