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アマチュア写真家・塩谷定好の世界

Info | 2015.06.04

TRANSIT編集部も写真展『旅する惑星』を開催したフジフイルムスクエア
写真を取り巻く環境が大きく変化するなかにあっても、
長い時間の流れのなかで積み上げられてきた写真文化を丁寧に伝えている。

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蓮(1935年)

現在、開催されているのは、日本の芸術写真の基礎を築いた写真家、
塩谷定好(しおたにていこう)の作品展

彼が使っていたのはベス単と呼ばれるコダックのカメラ。
このレンズに付いていたフードを外すと、幻想的な柔らかい描写を得られた。
その美しい写真はしばしば絵画的と評された。
画家が絵の具により光をとらえて絵を生み出したように、
彼はカメラに工夫をこらして獲得した光で写真を作り出した。

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海辺小景(1924年)

かつて写真が登場したことによって、写実的なだけの絵画が存在意義を失った。
現在、デジタルカメラが誕生し、ただ撮っただけの写真は、
膨大な情報のなかに埋もれていってしまう。

100年近い時を経て現代に現れた写真の一枚一枚は、
ソフトな雰囲気をたたえ、たしかに絵のような温もりをもって、見る者に深い余韻を残す。

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波止場雪景(1927年)

裕福な問屋に生まれた彼は、ずっとアマチュアの写真家だった。
故郷の島根に腰を据え、山陰地方の美しさを丹念にとらえつづけた。
そんな生き方は、誰でも写真を撮れる時代になった今こそ、
アマチュアとして写真や芸術に向き合うことの意味を多く伝えている。

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海景雪景(1928年)


FUJIFILM SQUARE 写真歴史博物館企画写真展
「-知られざる日本芸術写真のパイオニア- 塩谷定好作品展」

開催期間:〜7月31日(金)
開催時間:10:00~19:00(入館は18:50まで) 期間中無休
作品点数:25点
会場:FUJIFILM SQUARE(フジフイルムスクエア)写真歴史博物館
東京都港区赤坂9-7-3(東京ミッドタウン・ウェスト)
入場料:無料
主催:富士フイルム株式会社
協力:塩谷定好写真記念館
企画:コンタクト