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特別増刊号・佐藤健寿責任編集
「美しき不思議な世界」発売!
佐藤氏とTRANSITのあれこれ

Info | 2016.02.03

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先週1月29日に発売した増刊号、佐藤健寿 責任編集「美しき不思議な世界」。
おかげさまでご好評いただいているようで、各所から反響がありありがたい。そもそもTRANSITと、佐藤健寿氏との関係に少し触れよう。

佐藤健寿氏はフォトジャーナリストであり、世界のさまざまな「奇妙な場所」へ訪れる探究家である。著作として世界各地の奇妙な風景の写真集『奇界遺産』『奇界遺産2』、人工衛星から見える地球の絶景を写した監修作『SATELLITE』、最近では「クレイジージャーニー」というTV番組に出演し、世界の廃墟へ訪れるなど多岐に活躍している。

そんな氏とTRANSITの馴れそめは前身の雑誌である「NEUTRAL」12号の東南アジア特集号。「エキセントリック☆東南アジア」のタイトルで奇怪で衝撃的なミラクルスポットを紹介してもらった。東南アジアはのんびりとした空気のなか自然に逆らわない営みがある一方で、観光客が度肝を抜くような突飛な風景もあるよ、というのが氏による数々の写真と紹介文で伝えられている記事だった。

以来、佐藤氏にはTRANSITの創刊号から取材/執筆をお願いすることとなり、毎号のように、現地に赴いてもらったり、その地の「奇妙なもの」を紹介する記事を執筆してもらった(このあたりは本誌巻末の書誌年表を参照されたし)

「奇妙なもの」に迫りつづける佐藤氏の活動と「美しきもの」を求め旅するTRANSITは一見、異なるもののようで重なる部分もあって、とにかく気になるものを実際に写真に撮りに行く佐藤氏と、その場所の多面や極北を読者に届けるという本誌の方針、なにより「世界にあるまだ見ぬもの」に対する強い好奇心が私たちをパートナーとして継続させたのだと思っている。

そんな健寿氏とも8年の付き合いとなり、とあるきっかけで今回、TRANSITと氏との集大成ともいえる増刊号をつくることとなった。取材ページでは、佐藤氏がTRANSITとともに旅した9つの旅にフィーチャーし、当時を振り返るエッセイと実際に旅したルートとともに総括した。

読み物ページでは、チェルノブイリ原発やバイコヌール宇宙基地への旅に始まり、「超常現象」から「UMA」「宇宙開発」「20世紀科学技術」にいたるまでの、氏が長年、興味関心の対象としてきたものすべてを網羅するように詰め込んだ。

結果、決まった特集タイトルは「美しき不思議な世界」。"いつしか「世界の不思議さ」そのものを見ていた(※本誌より抜粋)"という氏の言葉どおり、不可思議なさまざまなモノやコト、そこから浮かび上がる世界そのものの奇妙さが感じられる一冊になっている。対象地域は5大陸、地球を飛び出た宇宙にまで及ぶ。彼の旅はあくまでも取材だ。しかし「知りたい」という欲求のもと世界を訪れる彼による一冊は、「私たちはなぜ旅へ出るのか」という問いに、ひとつの答えを出してくれる。

それから本誌は、決して「超常現象」やそのほか「不思議な」ものを信奉しているのではない。ましてや「不思議なもの」「珍妙なもの」の面白おかしさだけを表面的につまんでいるのでもなく、むしろその奇妙さのバックグラウンドを探究し、冷静で客観的な眼差しのなかで切り取っている。これはこの分野を語る人物としては特異であり、またそこにこそ、佐藤健寿氏の真髄がある。

さて、通常どおり話がしつこく長くなってしまったが、答えはきっと、この本が十分に証明してくれるだろう。私は、その答えを知りたい方、いやそれよりも世界の不思議な側面に触れてみたい方、これを読んでなんだか気になったすべての方々に、読んでもらいたいと思う。世界はいまも不可思議なままだ。だから旅する。そして人間こそが最も奇妙なのだ。

TRANSIT編集長 加藤直徳