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奄美・琉球号
闘牛の島へ【徳之島 編】

Info | 2016.11.27

発売中のTRANSIT特別編集号「美しき奄美・琉球」。
世界自然遺産への登録が期待されている「奄美・琉球」を、その代表的な選定地域である
奄美大島、徳之島、やんばる、西表島にフォーカスして掘り下げています。

特別に誌面の一部をご紹介。今回は、島中が熱狂に沸く闘牛の島、徳之島編です。

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奄美群島のなかで、2番目に面積が大きいのが徳之島。
こちらを訪れたのは撮りおろしてもらったのは、写真家の北島和将さん。
大学時代に初めて島を訪れて以来、幾度と足を運んでいるという彼。
旅の目的は「闘牛」。徳之島は、日本で闘牛が行われている数少ない場所のひとつです。
闘牛というと、マタドールが赤い布を広げて牛と対峙する姿を想像するかもしれません。
けれど、徳之島で闘牛といったら、牛同士の対決を意味します。
この慣習、もともと島の労働力だった牛たちの縄張り争いが発展して、
いつしか娯楽になっていったものだそう。

普段は、こちらの写真のようにのどか〜な風景が多く広がる徳之島。

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でも、この闘牛大会の日には、島中が豹変したように沸き立ちます。

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試合に出る牛の体重は平均1トン以上。
巨大な筋肉の塊が「ドスン!」という鈍い音とともにぶつかり合う姿は、圧巻の一言。

けれども、(意外なのが?)試合で、牛が死んでしまうことは滅多にないそう。
どちらかが負けを感じた場合、対戦相手から逃げるように闘牛場をぐるっと一周し、
それが降参の合図になります。試合後は、牛の傷口に青いワセリンを塗ってケア。
自分の牛が買っても負けても、子どもたちもはその勇姿に誇らしげな表情です。

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そんな闘牛の島・徳之島は、伝統行事もエネルギッシュ。
井之川集落で8月に行われる「浜下り・夏目踊り」は、一晩中踊りながら
集落の家を一軒一軒訪問するというちょっと変わったお祭り。
下は、夜を踊り明かして朝を迎えたときの一枚。みなさんすがすがしい表情。
写真を見てびっくりしてしまいますが、ご年配の参加者も多いのだとか。
なんでも、徳之島は出生率と平均寿命の高さが日本全国トップクラス。
元気なお年寄りが多い「長寿の島」とも出生率の高い「子宝の島」とも呼ばれています。
もしかしたらそこには、こうした闘牛や夏目踊りのように活力溢れる伝統行事が、
古くから伝わってきたことが影響しているのかもしれません。

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闘牛大会の日の独特な空気を楽しめる写真とエッセイ、つづきはぜひ本誌でどうぞ。

写真=北島和将