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豊かな日常を生きる、小さな島の原風景
『牛島の昭和』写真展 開催中

Info | 2017.11.08

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瀬戸内海に浮かぶ、牛島。香川県丸亀港から客船で15分ほどの距離にある、一周4.2km、島民僅か8人の小さな島だ。その小さな島の集会場で、戦前と戦後、それぞれ時代を生きた島の人びとの日常が詰まった小さな写真展『牛島の昭和』が開催されている。本写真展ではTRANSITの前身、NEUTRAL時代から撮影をしていただいている写真家・石井孝典氏の協力の元、長きに渡り島民の家で眠っていた写真の数々が展示されている。

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石井氏と牛島との出会いは、2005年発行の『NEUTRAL第5号 水こそすべて 上』での取材。美しい水とそれを享受する人びとの生活を捉えるべく、当時牛島に暮らした18人の島民一人ひとりをフィルムに焼き付けた。石井氏のポートレイトには、水に閉ざされたプリミティブな島の環境の中で力強く生きる牛島の人々の生命力が詰まっていた。

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牛島02.jpgNEUTRAL第5号に掲載された石井氏によるポートレイト。

初めて島を訪れた石井氏は、緩慢な時間が流れる島の自然の豊かさ、そして撮影を通じて感じた島に生きる人々の強さと明るさが深く印象に残ったという。NEUTRAL取材から12年の時が経ち、当時18人いた島民の数は現在8人にまで減った。しかし、今回の写真展の依頼を受け、久々に牛島を訪れた石井氏は当時と全く変わらぬ島と人々の姿に、思わず時間の経過を忘れたという。「そこに住む島民の数は減りましたが、人の持つ明るさは変わらず、強さは昔よりも増しているように感じました」と石井氏は語る。

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『牛島の昭和』写真展には、にぎやかで暖かい日々の記録が並ぶ。老若男女、人びとの笑顔に溢れた写真には戦前戦後を強く生きた牛島の活気があふれている。時の移ろいと共に島の人口は徐々に減っていくが、それでも日々を快活に生きる牛島の人びとの変わらない姿が写し出される。現代の牛島にも変わらず受け継がれている力強さの根源がここに垣間見られる。写真を通して牛島の過去と現在を行き来きしてみれば、そこには我々が豊かな日常を過ごすヒントが隠されているかもしれない。


『牛島の昭和』写真展
  会場:牛島集会所
住所:〒763-0231 香川県瀬戸内海丸亀市牛島385番地
会期:秋(開催中)〜春頃(未定、延長の可能性あり)
電話:0877-27-3818
担当:よこやま けいこ
監修:石井孝典

石井孝典(いしい•たかのり) 1968年大阪生まれ。大学で中国語を学び、その後渡米。LA Valley College在学。1997年に独立をして、フリーの写真家として活動を開始する。雑誌『Sports Graphic Number』、『ダ•ヴィンチ』『TRANSIT』など、ポートレイトを軸に幅広いジャンルで活躍。トルコのエディルネで行われる国技のオイルレスリングを撮り続けた写真集『EDIRNE』で、International Photography AwardsのBook:People pro部門で2位に選ばれ、海外でも高く評価されている。