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野村友里、壱岐ゆかり
食の人、花の人が織りなす
『TASTY OF LIFE』

Info | 2019.06.25

料理と花。どちらも儚く消えていくもの。
その刹那を一冊に止めた本が作られました。

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『TASTY OF LIFE』の軸となるのが、2人の女性。緑生い茂る原宿の一軒家で〈restaurant eatrip〉を営む料理人の野村友里さん。その隣でアトリエ兼花屋の〈the little shop of flowers〉を構える壱岐ゆかりさん。生業は違えど、ときに一緒に旅をし、料理と装花で仕事をして、10年超のお互いの歩みを見つめてきた2人です。

この本では野村さんと壱岐さんが、金沢、根室、鎌倉、軽井沢という4つの土地を4つの季節で訪れた旅の記憶を、食と花で綴りました。その瞬間、その土地でしか出合えない食材で料理をし、その食事に寄り添うように草花がそっと飾られ、写真に収められています。写真には、野村さん、壱岐さんのそれぞれが感じとった土地の記憶であったり、料理や花の思い出のエッセイ、旅先のレシピが添えられています。

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▶︎写真は水谷太郎さん。野村さん、壱岐さんの生み出す食と花の造形美、場の空気に心動かされた瞬間、シャッターを切っていったという。

制作の旅では、日程や場所しか決めず、各地を巡りました。野村さんは、ときには厨房のない環境で、炭で火を熾して焼き台をつくり、即席のキッチン台で具材を切ることも。それでも、旅先で捉えられた料理には、その土地の空気や匂いをぎゅっと閉じ込め、料理がもつエネルギーをしっかりと伝えています。大地から今まさに掴みとられたばかりといった壱岐さんの装花にも、草花を束ねることの自由さを感じさせます。

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▶︎野村さんが椿の和菓子をお盆に載せ、そこにすっと枝葉を添えていく壱岐さん。非言語で会話が成り立つ不思議な2人の間合いに、撮影中、何度もはっとさせられたと語る、編集の石田エリさん。

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▶︎表紙は、中で使われていた軽井沢で採れたトマトと土に還っていく野菜たちの写真から。布張りにすることで解像度が粗くなった写真は絵画のよう。ブックデザインは峯崎ノリテルさん。

写真集であり、エッセイであり、レシピであり、2人の記憶を綴った旅のアルバムのような一冊。ページをめくるごとに、感性のひだに優しく触れてくる本です。


『TASTY OF LIFE』
著者:野村友里、壱岐ゆかり
ブックデザイン:峯崎ノリテル
写真:水谷太郎
編集:石田エリ

発売:2019年5月末
定価:5,000円+税

■著者プロフィール
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野村友里(のむら・ゆり)●料理人。フードクリエイティブチーム「eatrip」主宰。原宿で〈restaurant eatrip〉を営む。主な活動にケータリングの演出、料理教室、雑誌の連載、ラジオのパーソナリティなど。2009年には監督を務めた食の映画『eatrip』を公開。2018年には食のライブパフォーマンス「食の鼓動 inner eatrip」を企画・演出。東京を食の目線で歩いた英訳付きガイド本『Tokyo Eatrip』(euphoria factory)や、四季折々の移ろいを感じられる和のレシピ本『春夏秋冬 おいしい手帖』(マガジンハウス)など。

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壱岐ゆかり(いき・ゆかり)●2010年より花屋〈the little shop of flowers〉をはじめる。日々の小さな贈り物から、展示会、パーティを草花で彩る。2015年には、ロサンゼルスの陶芸家アダム・シルヴァーマンのスタジオでエキシビションを開催。2016年に原宿キャットストリート沿いの〈6(ROKU) BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS〉内に2号店をオープン。2019年11月には渋谷パルコに、花とバーを融合させた3号店をオープン予定。