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バルト三国を感じるお店たち
<SUBARU>@神戸

Info | 2020.03.27

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 国内でバルト三国を感じるお店を、ということで〈LTshop〉につづいて訪れたのが、ラトビアのカルチャーを感じることのできる神戸のお店〈SUBARU〉。〈SUBARU〉は須磨海浜公園駅から歩いて3分、海の近くにあるお店です。オーナー溝口明子さんがラトビアで選んできた民芸品が揃います。お店にはハーブティーを飲めるカフェスペースもあり、お茶をいただきながら、豊富に揃うラトビアにまつわる本を読んだり、溝口さんとお話したりと、ゆったりラトビアのことを知ることができます。

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ラトガレやヴィゼメ地方の器、スプーンなど、テーブルウエアがたくさん。

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ラトビアにはいまでも素材から編み上げまで一貫して手作業で行うバスケットの工房が残る。

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自然豊かなラトビアでは、日常的に森で摘んだ薬草を使ったハーブティーを飲む。

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お店ではラトビアのハーブティーを注文することもできます。

 溝口さんは『持ち帰りたいラトビア』の著者でもあり、編集部でもバルト号を制作するなかで、ラトビアにまつわるお話をたくさん伺いました。小冊子「秘密のバルトツアー」では首都リガのおすすめ情報を教えてもらったり、「バルトの薬箱」ではラトビアのハーブ使いについて溝口さんに執筆していただきました。なぜ溝口さんがラトビアに魅せられたのか? その理由を訊きました。

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溝口さんの著書『持ち帰りたいラトビア』と、溝口さんが演奏した民族楽器クアクレの楽曲が聴けるCD。

「貿易都市の神戸で生まれ育って、小さい頃から貿易船が行き交う様子を見たり、外国の文化に触れるのが好きだったんですよね。学生時代も社会人になってからも、時間を見つけては旅をしていました。30カ国ほどいろんな国を旅したんですが、そのなかでもラトビアは最初に行ったときからとにかく居心地がよかったんです。日本人と似ているところがあるし、日本人が失ったものをラトビア人はまだもっているように感じました。夏至や冬至のお祝いがあって、季節に合わせた一年の過ごし方をしていたり、地方ごとの特色が残っていたり、歌や踊り、伝統工芸を通じて、ラトビア人としてのアイデンティティを誇り高く守りつづけていたり......。そういう部分が素敵だなと思いました」
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お店の近くに海があって犬の散歩をする人やランニングをする人の姿も。遠くには山も見えてリラックスした雰囲気の街です。

 とくにラトビアで夏至祭に参加したことをきっかけに、人生観が変わったという。
 「夏至祭の日は、みんな民族衣装を身に纏って、野原のハーブで花冠をつくって、森や水辺で一日中、歌って踊って過ごすんです。普段は、洋服を着て、会社や学校に通って、私たちと変わらない生活を送っている人たちが、その日だけは特別で、みんな会社も休んでお祭りをとことん愉しむんですよね。そういうラトビア人の生き方が、とても豊かだなと感じたんです。夏至祭がきっかけで民族楽器のクアクレを弾くようになったんですよ」

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溝口さんがラトビアでつくったクアクレ。お店にはラトビアの音楽もかけられていたりCDも置いてあります。

 実は溝口さん、ラトビアの楽器、クアクレの奏者でもあります。ラトビアに一年半ほど滞在していたときに現地で習いはじめ、現在では日本全国でコンサートを行ったりもしています。昔は誰かが亡くなると、森の木を切ってクアクレをつくりその魂と対話していたというほど、ラトビア人にとっては象徴的な楽器。静かで、心を慰めてくれるような優しい音色です。
 溝口さんはいまでも年に2度ほど仕事でラトビアを訪れていて、現地情報やラトビアの文化について、いろんなことを教えてくれます。ラトビアを一緒に訪れるツアーを企画したり、ラトビアのカルチャーに触れるワークショップも行っていて、お店のHPから情報を確認できます。ラトビアの空気を感じに、〈SUBARU〉へ遊びにいってみてくださいね。

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▶data
<SUBARU>
Adress:兵庫県神戸市須磨区衣掛町4-2-12 内田ビル2F
Open:火〜土 11:30-17:30
Close:日、月、祝

溝口明子(みぞぐち・あきこ)
ラトビア雑貨専門店〈SUBARU〉店主。公務員を経て2009年に神戸市で開業。2013年から1年半、ラトビアで暮らし、ラトビア語や伝統文化、音楽を学ぶ。ラトビア伝統楽器クアクレの演奏や講演、出版物のコーディネートを行うなど活動は多岐に渡る。2017年に駐日ラトビア共和国大使より両国の関係促進への貢献に対する感謝状を拝受。著書『持ち帰りたいラトビア』(誠文堂新光社)。関西日本ラトビア協会常務理事。


お詫びと訂正