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Under the Norwegian Sky/世界最北の地へ

Travelog | 2011.12.27
旅の始まりは北緯68度に位置するロフォーテン諸島から。ノルウェーの大地を一路北へ。トロムソを経て、北極が間近に迫る78度のスピッツベルゲン島まで。秋が深まり、太陽が最後の光を放ちながら沈みゆく土地では、闇に包まれた生活が始まろうとしていた。訪れてみれば、そこには温かな灯があふれ、人びとはやさしくて大きな心を持って生きていた。
  • 掲載号: 未掲載 / 撮影 : 編集部
  • ルート: ロフォーテン諸島~トロムソ~スピッツベルゲン島

ノルウェーのローカルエアラインであるヴィーデロー航空。プロペラ付きのコンパクトな白い機体が、ミッドナイトブルーの夜空に映える。取材中、パイロットが特別にルートを変更して、フィヨルドの間を抜ける絶景ポイントを飛んでくれた。パイロットの粋な計らいにノルウェーの自由を感じた瞬間。

ノルウェー北部にあるロフォーテン諸島の中心街スヴォルヴァーを見下ろす。街の人口は2万5000人ほど。港のすぐ裏には山が迫っている。標高は600mほどで、トレイルを歩けば2〜3時間で頂上まで登ることができる。山の頂上から見る街はどんな姿を見せるのだろうか。

ロフォーテン諸島はタラ漁が有名。街中の水族館では、タラだけでなく、この海域に生息している魚が水槽の中を泳ぐ。写真のオオカミウオは強力な歯を持っていて貝類などを噛み砕く。おそろしい顔つきだが、白身の魚で食べるとおいしい。ノルウェーは捕鯨をする国でもある。案内をしてくれたスタッフもクジラの肉を食べるという。捕鯨に対する考えは、欧州でも一枚岩ではない。

ヴァイキング博物館では、スタッフが再現された衣装を着用し、ヴァイキングの伝統的な歌を唄い上げながら文化を紹介してくれる。披露してくれたパフォーマンスは役者のものかと思うほどの迫力。観光客に対する本気の演技を通して、ルーツに対する思いの強さが伝わってくる。博物館はロフォーテン諸島中央部の街ボルグにある。

博物館で食べた昼食では、羊の肉と野菜がたっぷり入ったスープが出され、冷えた身体を温めてくれる。ヴァイキングの伝統的なレシピに基づいて作られており、クリームチーズを入れて食べると酸味が効いて美味。観光施設でこれほどに家庭的な料理を口にできるとは予想していなかった。心もほっこり。

オーロラ発生を感知するための機材が並ぶのは、ロフォーテン諸島北部の街ラウクビクにあるポーラライトセンター。個人が経営する、ちょっとレトロな研究施設は手作り感たっぷり。オーロラは、太陽が発するプラズマ粒子が地球の磁場にぶつかって発生する。今年は11年に一度の当たり年と言われている。

スヴォルヴァーのホテルで出されたビュッフェ式の朝食。タラやサーモンをはじめとして、ノルウェーでは魚がよく食べられる。また、ヤギやウシの乳から作られる乳製品もおいしい。手前にある茶色いチーズは、キャラメルのようなコクのある味わいがある。

ロフォーテン諸島のフィスケボルから、ヴェステローレン諸島のメルブーまではフェリーで30分ほど。訪れた11月は本来なら雪が降る時期。今年は温暖で季節の変わり目にさしかかっていため、気候が安定せずすっきりしない天候が続いた。地理的には無関係だが、村上春樹の『ノルウェイの森』の世界観に通じる。

人体に摂取する製品の成分をチェックできるiPhoneアプリ。製品のバーコードを読み取ると、政府が許可していないホルモン物質を使用しているかどうかがわかる。写っている歯磨き粉は、緑色のハートマークが出たので安心して使える。「主役はあくまで、そこで生活する人」という精神が感じられる。

ヴェステローレン諸島の最北の地アンデネスにあるクジラの博物館で、その生態について語るスタッフ。おみやげとして購入できるぬいぐるみを抱えながら。ユーモアを交えながら、とつとつと繰り出される語りから、クジラへの愛が伝わってくる。この付近ではマッコウクジラを見ることができ、夏はホエールウォッチングも人気。