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Fitbitと旅するサンフランシスコ Vol.1

Travelog | 2017.02.03
地名を耳にすると、記憶の中から雑誌を切り取ったようなイメージが頭に思い浮かぶ。パリならそれはエッフェル塔やルーヴル美術館かもしれないし、ローマならパンテオンやスペイン広場かもしれない。サンフランシスコの場合、それは「坂」だ。名の知れた観光名所は多いが、束の間訪れる旅行客にとって名もなき坂の数々こそ、サンフランシスコをサンフランシスコたらしめている。

そんな坂の街であり、テクノロジーのメッカでもあるサンフランシスコに本社を構えるのが、スマートな活動量計を開発する「Fitbit」だ。

2017年で創業10年目を迎える同社は、65ヵ国で累計5,400万台を超える活動量計を販売している。2016年10月に発売された「Fitbit Charge 2」は、日本のアマゾンの活動量計カテゴリーで、一番の売れ行きを誇る人気商品だ。今回、サンフランシスコのFitbitオフィスにお邪魔して製品について話を聞くとともに、Charge 2 を着用してサンフランシスコ市内とナパバレーを訪れてみた。その模様を全3回に渡ってお届けしたい。
  • 掲載号: / 撮影 : 三橋ゆか里
  • ルート: サンフランシスコ

Fitbit オフィスから徒歩15分ほどでたどり着いたのは、フェリー・ビルディングの向かいにある自転車レンタル「Parkwide」。ここから、海沿いを走ってプロ野球チーム サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地「AT&Tパーク」に向かう。

自転車には、周辺エリアの地図が。サンフランシスコが観光地として人気な理由のひとつに、市内が大きすぎず、1日2日もあればすべてを周ってみられることがある。すべてを見切れないのではないかと焦らなくていい。ノースビーチなど特に坂が多いエリアを除けば、自転車の乗って楽しめるエリアも多い。フェリー・ビルディングの辺りからゴールデンゲートブリッジまで東に向かって進むコースは、自然も多くおすすめだ。


サンフランシスコ市内には、このようなバイクシェアのステーション「Bay Area Bike Share」が随所にある。好きな場所で借りて、帰りは最寄りのステーションに返せばいい。24時間レンタルが9ドル、3日間で22ドルで利用できる。


主だったストリートに自転車マークが記されるサンフランシスコ市内では、ここ数年で自転車通勤が目に見えて増えた。AT&Tパークに向かう途中、サンフランシスコ市内と、湾を隔てたオークランドを結ぶベイブリッジを眺めることができる。1936年の開通から、ベイエリアの西側と東側を結び続けている。


心拍数、歩数、消費カロリー、移動距離などを自動的にトラッキングしてくれる Charge 2。バンドの左側のボタンを押下して「Run」モードを選べば、走った時間や距離、ペースを計測してくれる。走り終わったらボタンの長押しで停止。途中信号につかまりながら平均時速4.1マイルで進んで、フェリー・ビルディング前からAT&Tパークまでの所用時間は約20分だった。


シーズン中は、周囲の渋滞状況からもゲーム開催日かどうかが一目瞭然だが、さすがにオフシーズンとあって静か。本来、奇数の建物が並ぶ側の通りに位置するAT&Tパークだが、特別に許可を得てここだけ番地は24番。アメリカ野球殿堂入りを果たした名選手ウィリー・メイズの背番号にちなんでいる。


全42,000席が伽藍堂のスタジアムに、真っ青な空が覆いかぶさる。ここはサンフランシスコ湾の入り江になっているため、ホームランが海に落ちることも珍しくないそうだ。シーズン中は餌欲しさにカモメが観客席の上を飛び回る。


AT&Tパークには、野球鑑賞のために貸切にできる小部屋が並ぶ、Oracle Suiteと呼ばれるフロアがある。実は、同階にある何の変哲もなドアの向こうに特別な空間が広がっている。サンフランシスコ・ジャイアンツの選手(現役と卒業生)のための秘密部屋「Gothom Club」だ。


ジャイアンツがニューヨークからサンフランシスコに移動する前のチーム名「New York Gothoms」にちなんで名付けられた。選手のための隠れ家というだけあって、専用バー、プールテーブル、小ぶりのボーリング上まで完備されている。


オフシーズンとはいえ、芝生の上は立ち入り禁止だったが、グラウンドにも立たせてもらうことができた。2010年、2012年、2014年と隅数年にワールドシリーズを制覇してきたジャイアンツだが、2016年、隅数年の女神は微笑まなかった。2017年、チームは奇数年の呪いを解くことができるのか、チームの行く末に注目が集まる。


AT&Tパークを後にして、再びフェリー・ビルディングに戻ってきた。フェリー・ビルディングは、サンフランシスコ市内を通る大通り マーケットストリートの起点。建物の中は地元の商品ばかりを扱うフードマーケットになっている。毎週土曜の朝には、建物を囲むようにしてファーマーズマーケットが開かれ、観光客から地元住民まで大勢で賑わう。


フェリービルディングの向かいには、常時、数十店舗のショップが出ている。なぜかマーク・トウェインの言葉として知られるようになった"The coldest winter I ever spent was a summer in San Francisco"(サンフランシスコの夏ほど寒い冬はない)という言葉がある。誰が発言したにせよ、容赦なく吹く海風とビル風にさらされて、思わずストリートショップのニット帽に目がいく。右端下、黒とオレンジのニット帽は、サンフランシスコ・ジャイアンツのロゴ。地元野球チームへの愛を感じさせる。


フレームに収められた観光名所、ハンドメイドジュエリー、Tシャツなど、土産にちょうど良さそうなアイテムが並ぶ。お店を練り歩いていると、ここでFitbitの通知機能が役に立った。スマホに届いたテキストメッセージと着信を、手首のバンドが軽度なバイブレーションが教えてくれるのだ。これなら、歩行中など普段は見逃してしまう電話にも気づくことができる。


Fitbitでは、1日の目標歩数を設定することができる。米国心臓協会による推奨値は、1日10,000歩。目標歩数はFitbitの初期設定時に登録できて、手首に身につけてさえいれば自動的にカウントしてくれる。旅行中は普段にも増して歩くため、余裕で目標値をクリアすることができた。歩数の結果は、Charge 2のディスプレイ上、または専用スマホアプリでチェックできる。歩数のみならず、消費カロリーも表示されるのが嬉しい。


世の中には、最新テクノロジーを活用した新製品が日々登場している。でも、その中から生き残れる製品はほんの一握り。よほどの不便を大幅に解消するのでもない限り、利用者に新しい習慣を定着させるのは至難の技だからだ。



今回、数日間にわたってCharge 2 を着用してみて、Fitbitが世界的に人気な理由が少しわかったような気がする。それは、ずばりFitbitが人に新しい習慣を強いらないことにある。いつも通り歩いたり自転車に乗ったりして過ごすだけで、より健康な生活、健康的な自分へと導いてくれる。面倒な設定にも無縁で、手首に着用しているだけで大半のことを自動的にトラッキングしてくれる。日常生活で着用するのはもちろん、旅行中に着用すると普段より歩数の記録が伸びそうでやる気が出る。



次回は、フェリー・ビルディングのマーケットと、市内から数時間移動したワインの産地ナパバレーでの様子をお届けする。


■関連情報


アクティビティ記録デバイスなどの情報が得られる Fitbit オフィシャルサイト






  • 掲載号 : / 撮影 : 三橋ゆか里
  • ルート: サンフランシスコ