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幻想のフランス 迷宮の彼方

Travelog | 2011.06.27
ペリゴール地方からケルシー地方、ミディ・ピレネー地方へ、パストラルな営みが横溢するフランス南西部を南下していった約10日間の旅。中世の趣も残るその地のランドスケープはさながらおとぎ話のワンシーンのようで、いつしかファンタジーの淵へと引きずり込まれていた。
  • 掲載号: TRANSIT13号 美しきフランス / 撮影 : 中矢俊一郎
  • ルート: ロカマドール~コンク~コルド・シュル・シエル~カルカソンヌ 他

レンタカーでサルラという町をまず目指したが、暗い夜の森の道で迷った末、辿り着いたのはメラルという小さな村。目を覚ますと、初老の男が犬の世話をしていた。

その村の周囲は牧歌的な風景が広がる。ちょうど、耕し終えた畑に農夫が野菜の種を蒔いていた。秋に収穫する予定だという。

メラルの中心部に行くと、可憐な姉妹が14世紀に建てられた石造りの自宅の前で他愛もない話をしていた。この後、白人の父親とアフリカ系の母親が登場。

ベナック・エ・カズナックの断崖に建つ古城と小規模な集落。手前のドルドーニュ川は船で下ることができる。こうした美しい村が、フランス南西部には無数に存在。

石灰岩の崖を背後に抱くようなレゼジーという村にて。細く狭い路地で、犬が車から身を乗り出し、その崖を見つめていた。

立ち寄った農場で出逢ったニワトリたち。こちらに興味を示しつつも、警戒心を解くことはなく、一定の距離が保たれたままだった。

また別の農場にて。なだらかな斜面に点々といる白い動物は羊たち。黙々と牧草を食していたが、近寄ろうとすると、そそくさと逃げてしまう......。

岩壁に貼りつくロカマドールの夕刻の風景を眺めながら、地産の赤ワインをちびちびと飲み、地産の鴨料理に舌鼓を打つ。ロマンチックすぎる、至福の夕食!

そんなロカマドール付近の農場でふと目が合ったヤギ。搾った乳から生成されるチーズは、酸味がやや強くてクセがあるものの、ワインにぴったり合うのだ。

スペインにある聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへつづく巡礼路上のコンク。鱗にも似たスレート葺きの民家が並ぶその村は、おとぎ話のような空間であった。

コルド・シュル・シエル(天空の城)と呼ばれる村を、午前6時に向かいの小高い丘から俯瞰。濃い霧が裾野を覆うその姿は、村名をはっきりと体現していた。

コルド・シュル・シエル近くの農道を運転していると、タンポポの綿毛が舞う原っぱでピクニックをする大家族に遭遇。これが、フランス人の休日の過ごし方だ。

カルカソンヌ城を一望できるレストランの屋上で、開店前に談笑し合う料理人と給仕。中世から変わっていないこの風景は、彼らの日常の中に溶け込んでいるのだ。

カルカソンヌの城塞はヨーロッパ最大規模で、延々と続く城壁は全長約3kmもある。観光客や地元の家族連れが、思い思いの時間をこの場所で過ごしていた。

  • 掲載号 : TRANSIT13号 美しきフランス / 撮影 : 中矢俊一郎
  • ルート: ロカマドール~コンク~コルド・シュル・シエル~カルカソンヌ 他