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オランダという解放区

Travelog | 2012.03.12
扇を広げたような形状のアムステルダムという都市を、レンタル・バイクに跨がってあてもなく駆けめぐったショート・トリップ。その道程で目にしたのは、現代建築に自転車、スクウォット、セックス、ウィード......様々なタイプの"解放区"であった。

早朝、宿泊していたアムステルダムのはずれのホテルからトラムに揺られて到着したのは、通勤・通学の市民が行き交う中央駅。正面の建物は、聖ニコラス教会である。

中央駅の近くにレンタル・サイクル・ショップ〈Mac Bike〉があったので、自転車を借りることに。自転車レーンが整備されたアムスをめぐるには、これが最適だ。

中央駅から扇状にはりめぐらされている運河は、かつて商人の街だった時代の重要な交通網である。それは今も残存し、アムステルダム独自の景観を形成している。

中心部を自転車でうろついていたら、期せずして"飾り窓地帯"に足を踏み入れていた。ナニする時間はなかったが、コーヒーショップでアレを仕入れて一服。スパー。

観光客が多いダム広場を通り抜け、その先に現れたのは、全面にグラフィティが描かれた古いビル。そこはスクウォットであった。1年以上居住者がいない物件に限り、オランダの法律ではスクウォットが認められてきたのだ。

閑静な団地で新聞配達をする少年の背後に見えるのは東港湾地区である。90年代にはじまった再開発により、今ではコンテンポラリーな建築が並ぶエリアとなった。

東港湾地区から西へ自転車を走らせると、アイ湾にせり出すシロダムが出現。多様な材質・カラーのコンテナを水上に積み上げたようなその建物は、建築家集団MVRDVが設計した集合住宅兼オフィスビル。

少し足を伸ばし、アムスの郊外へ。このオクラホマという名の集合住宅もMVRDVがデザイン。空中に突き出た住戸は、施主が要求する戸数を満たせないため、建築家が"合理的"に設けたもの。また、住んでいるのは、スカした若夫婦などではなく55歳以上の高齢者である。

自転車を返却し、翌日はレンタカーでロッテルダムを訪れた。この都市にも秀逸な現代建築は多く、これは38個の立方体が積み重なった集合住宅キューブ・ハウス。

ロッテルダムもまた運河が発達している街。このように、通行する船のために橋が跳ね上がり、"信号待ち"することもしばしばあった。

ロッテルダムから東へひたすら車を走らせると、国境を示す看板が目に飛び込んだ。そして、そのままアウトバーンに乗り入れたのだが、この続きは本誌ドイツ号で!