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イタリアのほんとうに美味しいもの

Travelog | 2012.08.28
「せっかく"食の王国・イタリア"だしいつものTravelogじゃないものに......」との提案によって実現した新企画。今回イタリアを取材した在本彌生さん、兵藤育子さん、そしてNumaさんが現地で食べた美味しいものを勝手に自慢しあう、ゆるーい座談会が実現しました。

参加者:在本彌生(写真家)・兵藤育子(ライター)・Numa(フォトジャーナリスト)

「ダ・ミケーレ」の要注意人物

Numa(以下N):ふたりはどのくらいイタリアに滞在していたの?


在本彌生(以下A):ナポリに1週間、ヴェネツィアに6日間。


N:で、どっちが美味?


A:個人的にはナポリ。


兵藤育子(以下H):値段が全然違って驚いた。ヴェネツィアでは街の中心部に泊まっていたからかもしれないけれど、高い。


A:郊外のパドヴァという街へ行ったら物価もぐっと下がったよね。


H:ヴェネツィアは完全に観光地。


N:カフェで座った瞬間2倍くらいとられますよね。ぼったくりバーかと。


H:ナポリと同じ調子で食べていると、あとでお会計がすごいことになってる(笑)


A:ナポリだと前菜、パスタ、メインのコースでも20ユーロくらい。ヴェネツィアは2倍くらいの感覚だった。


N:へえ。ナポリといえばTRANSIT編集部に近い、渋谷区恵比寿で人気の「ダ・ミケーレ」がありますよね?


H:行った、行った。


A:美味しかったよー。


H:うん、美味しい。ただし、接客がねえええ(笑)。食べ終わったら「サービス・チップ」って......。


A:日本でいうラーメン屋さんとか食堂みたいな雰囲気だよ。チップを払うべき場所じゃないのに。


N:ぜったい納税しないくせして(笑)


H:たまたま付いてくれたウェイターが悪かったのかも。アジア系の観光客が来たら「チップ!」とか言っている気がした。


N:ちなみにその男の特徴は? 次に行く人のための参考までに。


A:外見がすでに意地悪そう。


H:神経質そうで痩せ型。


A:40代だね、あれは。


N:カピート(笑)。僕はミラノで食べたピッツァがうまかった。取材の最終日に食べて。


A:どのへん?


N:コルソ・ブエノスアイレスにある「Pizzeria Spontini」という有名店。


A:あの辺ってB級グルメが集まっているんだよね。どうだった?


N:僕は生地の分厚いタイプって嫌いなんだけれど、ここのは美味しかった。トマトとチーズしか入っていないピッツァを普通サイズか大きいサイズかを選ぶだけ。1種類しかメニューのないラーメン屋さんみたい。

A:こういうタイプのピッツァがアメリカに渡って「ピザ」になったんだよね。ドミノピザとか。


N:ちょうど相席した20代の女性が「あなたは正しい店へ来たわよ。ここがミラノで一番だから」と。


H:へえー。


N:で、色々話しているうちに「ここのピッツァは生地に秘密があると思うの。きっとパスタを混ぜているのよっ!」って。


A:それはあり得ない(笑)。その娘、料理を一切しないんじゃないの?


N:パスタって、もしかしてコカインの原料のパスタかな。


H:それもないから(笑)


いちばん美味しかったパスタは......


A:Numaくんはシチリアへ行ったんだよね。何が美味しかった?


N:そう、約3週間。トラーパニで食べたクスクスが美味しくて。ハマって3回は食べた。



A:シチリアの西側はアフリカに近いから。モロッコとかチュニジアで食べるより美味しかったでしょ?


N:確かに洗練されてる。魚のブイヨンが効いていて、ブイヤベースにちかい。


A:そこがイタリアのすごいところだよね。食に関するこだわりが彼らは強いから。


N:しかもクスクスが手作りというのにびっくり。あとイワシのフェンネルのパスタも美味しかった。


A:それもシチリア名物だよね。絶対美味しいよ。


H:私たちもイワシは毎日食べていました。フリットが美味しかった。ふたりとも青魚が大好きだし(笑)

A:魚介のパスタもたくさん食べたよね。どれも美味しくて。


H:でもね、一番美味しかったパスタはこれ。



N:すごいシンプル。何が入っているの?


H:うーん、トマトとバジリコと。


A:あとはオリーブ。


N:うわ、地味。オリーブオイルがいいのかな。


H:「こっそり何か入れてるでしょ?」ていうくらい不思議なコクがあって(笑)。しかも6ユーロくらい。一番安いパスタだった。


N:何か混ぜてあるよ、それ。四川省の本場の火鍋ってアヘンが入っているらしいし。


H:吉野家の味から抜け出せなくなるような、あの感覚がたまらなくて(笑)


A:南イタリアの料理にはハズレがないと思う。ナポリもプーリアもシチリアも。がっかりしたことがない。


南北で違うコーヒーの味


N:じゃあスィーツはどうでした?


A:シチリアといえば「ブリオッシュ・コン・ジェラート」だよね。パンにジェラートを挟んでやつ。


N:そうそう。でも衝撃的だったのは「ブリオッシュ・コン・グラニータ」。パンにかき氷を挟んで食べないでしょ、普通は。



A:すぐドロドロになっちゃいそう。暑すぎて体が糖分を欲している時には最高だね。


N:シャッカという街の漁港にあるグラニータ屋さん「Bar Roma di Aurelio」、かなり有名だからぜひ立ち寄って欲しい。頑固おやじが昔ながらの製氷機を自慢しつつ、レモングラニータを作ってくれる。


H:パドヴァで食べたジェラートは美味しかったけれど、これ!というのには出会わなかったな。4月はジェラートを楽しむには少し寒かったし。でもね、コーヒーが美味しかった!日本と全然違う。


A:南のエスプレッソって、濃厚でコクがあってね。で、量が少ない。

N:ミラノでポートレート撮影させてくれた女子大生がレッジオ・ディ・カブレラの出身で、ミラノのコーヒーのまずさに辟易するって。


A:南に行けば行くほどローストが深くなるから。


N:あの味は日本で再現できない。


A:家庭用マシンの味は別物だし。バールにあるごっつい機械じゃないと。


N:それに水の味が違う。電圧差も影響していると思う。日本は100Vだけどイタリアは220V。味にも違いが出るんじゃ。


H:ナポリで食べたモッツァレラチーズも生ハムも絶品だったし。「あの取材からもう3ヶ月経っているんだ」と、ときどきセンチメンタルになるー。



N:イタリアは結局「メシを喰いに行く場所」かなと。でも成人病へまっしぐらって感じだけど。


A:そうそう。ナポリは肥満児が多いのよー(笑)