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みんなのパヤー

Travelog | 2013.03.09
国民の8割以上が仏教徒のミャンマー。敬虔な信者が多く、都市から山間の小さな村にまで、国中に仏塔や寺院が点在している。参拝に行く施設は、仏塔も寺院も仏像もすべて「パヤー」と呼ばれ、暮らしのなかに溶け込んでいる。そんな "パヤーのある"愛おしい日常を見つけた。

ミャンマー屈指の仏教聖地「チャイティーヨー・パヤー(ゴールデンロック)」に参拝に来ていた、良い雰囲気の家族。「撮ってもらえますか?」と頼まれ、私のカメラでもパシャリ。

チャイティーヨー・パヤーまでは、ヤンゴンからバス(5時間)+キンプンからトラック(2時間)というルートが主流。これでチャイティーヨー山山頂にあるパヤーを目指す。

荷台に上がるとこんな感じ。横木が何本も渡されていて、収容人数は50人ほど。前に座った人の肩が手すり代わり。

舗装されていない山道を疾走するトラック。最初は怖かったけれど、ジェットコースターのようで慣れてくると意外と楽しい!「キャー」とか「オオ」とか凹凸のたびにあがる歓声で車内はにぎやか。

陽が暮れはじめた頃、チャイティーヨー・パヤーに到着。離れて見ると、本当に山頂に建っているのがわかる。

推定630トンもの大きな岩が、岩盤から今にも転げ落ちそうな角度で鎮座。岩に触れられるのは男性のみと決められていて、金箔を貼るために大勢の人が並んでいた。

夜になると、境内は参拝者で溢れ返った。線香の煙と、信者が唱える経典が相まって、境内は厳かな空気に包まれていく。

こんな微笑ましい光景もちらほら。そういえば、僧侶の携帯はたいていハイスペックな気がしたけども、気のせい?

あちこちでネオンが点滅する境内は、まるでテーマパークのようににぎやか。"ワビサビ"を尊ぶ日本人には、ちょっと理解しがたい感覚。

同じく、パヤーへつづく参道もこの通り。暗闇の中央に、チカチカした境内が浮かびあがる。

夜が明けて早朝の境内。石張りの床が日光で暖まり気持ちいいのか、みんな地面に座り込んでは、あちこちでおしゃべり。


朝日を浴びて、大岩の表情も心なしかやわらか。

大岩へ向け、祈りを捧げる人。カメラを向けても動じることなく、ただただ真っすぐに岩を見つめていた。

パヤーには、生まれた曜日ごとに異なる守護動物の像が立っている。水曜だけが午前と午後に分かれていて、その種類は全部で8種。おのおのの守護動物の前で、各自祈りを捧げる。

売店では、大小さまざまな鈴が売られていた。絵馬のように、お願いごとを書いて境内に吊るす。

正面入り口の真向かいには、食堂や土産物屋が並ぶ賑やかな参道がつづく。周辺は、国立自然保護地域にも指定された美しい山岳地帯。

パヤーの参道でたびたび見かけた、手づくり感たっぷりの「張り子」。1個50円くらい。ちなみに、ふくろうはツガイで買わないといけないとのこと。

「タナカー」という伝統的化粧品を、頬に塗った女性。これは特定の木の樹皮を粉末にし、水で溶いて顔に塗る"おしろい"のようなもの。日焼け止め効果もあり、幼い子どもや女性によく見られる。

タナカーの話で盛り上がっていると「あなたもやってみる?」と、物売りの少女。みんな人なつこいので、すぐに仲良くなれる。タナカーを塗ってもらう写真家の今津さん。

チャイティーヨーからバスで2時間。古都バゴーには、スケールの大きなパヤーが多い。これは、114mの仏塔をもつシュエモード・パヤー。側には、過去に崩れてしまった先端部分も大事に展示。


境内の入り口には、守護神としての役割をもつ「チンテ」と呼ばれる獅子像が。こちらも巨大。

入場料とは別に写真撮影料が定められているパヤーも多い。料金はコンデジか一眼レフか等、カメラのスペックでざっくり分かれている。ちなみにこれは、300チャット(=約30円)の撮影料。


境内には、仏塔以外にもいくつかのお堂があった。おしゃべりに興じたり、昼寝している人がいたりして、和む雰囲気


日本人が寄贈したという、鎌倉の大仏を発見。背景や台座は、ミャンマー風でキラキラ。

30mの高さをもつ巨大な柱の4面に、それぞれ座仏が施されたチャイプーン・パヤー。次第にスケール感が麻痺してくる......。


日中は熱いので、日よけになる木々は格好の休憩所。壷に入った飲料水は、誰でも自由に飲むことができる。


カメラを向けると、僧侶がやさしく微笑んでくれた。今日もパヤーは、人びとの祈りと昼寝と、愛おしい営みに溢れている。