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ふるさとは今日も輝いて

Travelog | 2013.04.28
ミャンマー東部シャン州の中心地チャイントォンは、標高約900mの高原地帯。ヤンゴンの街が東京の1970年代を彷彿とさせるならば、ここは2010年代であり、原始の時代でもあった。詳しくは本誌に譲るとして、今回のトラベログでは、取材時に口にした絶品シャン料理と、山奥の村で撮影した貴重な動画をお届けします。

まずは食事から。すべての料理は毎朝7時から始まる、チャイントォンの市場でいただいたもの。こちらはシャン料理を代表するヌードル、シャン・カウスエ。米麺を使用したフォーやタイのクイティオに似て、あっさり出汁で日本人好みの味。

こちらもシャン・カウスエ。"高菜漬け"が味のアクセントに。フィッシュボール(魚肉のつくね)はタイから輸入しているそう。現地の人はたっぷりのチリやお酢、砂糖をかけていただく。

水で溶かした米粉を薄くのばして鍋上で蒸し、ハサミでカットした生麺のカウスエ。お姉さんが手際よく作ってくれました。もっちり食感がやみつきの旨さ。

もち米4種。葉っぱに包んでテイクアウトし、昼ごはんにいただきました。左上から古代米、サフラン入り、お赤飯(まさに!!)、黒米。

こちらはお餅!試食したかったけれど、焼いて食べる必要があるとのことで断念しました。

発酵させた豆を原料に作る、おせんべい版の納豆。ぬれ煎餅のような食感で塩気が強いため、ちびちびとちぎって食べる。日本酒にあいそう。発酵食品が多いのは四方を山に囲まれた土地柄ゆえ。

干し柿。見た目ママのお味でした。

ひよこ豆で作られた豆腐の一種。寒天のようなツルリとした食感で、辛味噌をつけていただく。ほかに玉子を原料に用いた黄色のシャン豆腐もある。

たこ焼き器のような調理器具でつくる、たこ焼き(たこ無し)。具材はネギのみとシンプルだけれど、出汁入り生地がおいしくてリピート。どうやらこの器具もタイからの輸入品らしく、起源は「カノム・クロック」というタイのおやつのよう。

ココナツの実が入った黒糖パンケーキ。シンプルで素朴な味に、こちらもリピート。中国の雲南省、ラオス、タイの国境に接したシャン州では、ヤンゴンや首都ネーピードーで食べられる油こってりのビルマ料理とはまるで異なり、胃にやさしかった。

タピオカや寒天といったトッピングに、甘いココナツミルクをかけたスイーツ。ベトナムの「チェー」にそっくり。

シャン高原に連なるとある山の中腹、標高1600mほどの斜面に形成されたラフ・シ族の集落。集落へはチャイントォンの市街地から麓の村まで1時間半ほどかけてトゥクトゥクで移動、麓の村から2時間弱のトレッキングで辿り着いた。

現在こちらの集落には22軒300人ほどが暮らすそう。原始的な暮らしには当然電気もガスもないけれど、上方の広場には湧き水を引いた水場があり、共有スペースとして機能していた。

日中、男性たちは山や畑へ仕事に出かけるとのことで、働き盛りの男性の姿は少なく、女性たちが軒先で繕いものをする姿を見かけた。子どもたちは幼い妹や弟の面倒をみたり、家事の手伝いをするなど、家族の一員としての役割を果たしている。

外部の人との関わり方を知らないラフ・シ族の人々。女性ふたり組のわたしたちを見て、泣き出してしまった幼い子どももいた。決して言葉の壁だけではない距離が存在するのだということを知る。

ラフ・シ族の伝統衣装は白と青。「どうして?」と尋ねても、文字をもたない彼らの歴史に答えはありませんでした。そんなラフ・シの暮らしに思いをはせると、彼らとの違いではなく、ただただ共通点が見えてくるのでした。