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ハッピー・ホーチミン!

Travelog | 2013.12.16
南国のベトナムは季節にあまり関係なく、一年を通して夏のような暑い日がつづき、スコールが降り、気温も湿度も高い。それに負けないぐらい人びとのテンションも幸福度もアゲアゲ。貧富の格差や共産党独裁など、陰の部分はあるけれど、それを補ってあまりある希望が溢れている。そんな青春期にある国で生きている人たちが見せる一瞬の表情をキャッチ。

市内中心部にあるベトナムレストラン「SH Garden」で出会ったチャウ。いきなり「写真を撮らせてくれませんか」と頼んだのにもかかわらず、躊躇なく受けてくれた。「ベトナム人は写真を撮られるのが好き」とは聞いていたけれど、一番の理由は他人に対してオープンな空気が社会全体に満ちていることなのかもしれない。もしくは、写真家がイケメンだったからか......。

土曜の夜、サルサクラブで出会ったハンちゃん。翌日、細い体にぴたりと合ったアオザイに身を包み、グッチのサングラスをかけて颯爽と現れた。炎天下でのフォトグラファーとのセッションのなかで、笑顔、せつない表情、色気のある目と表情がくるくる変わっていく。どんどん感情が豊かになっていく様は、一人の女優が生まれる瞬間を見ているよう。

サイゴン大聖堂前で、バイクに座っておしゃべりしていたケリーとジェイソン。カップルではないというから、友達以上、恋人未満といったところか。ベトナムにおいて道路の主役は車でなくバイク。高校生で買う人もいるし、大学生にもなれば半数ぐらいは所有している印象。小回りが利くし、比較的安いので、生活には便利。なにより2ケツして駆け回るわけで、車よりも2人の距離が近づくことは間違いなし。

同じくサイゴン大聖堂前の広場で、友人2人の誕生日祝いをしていた女学生たち。ホーチミン市経済大学で学ぶ。ベトナムの大学進学率は10%ほどで、彼女たちはエリート。「街で一番好きな場所は?」と聞いたら、ほとんどがサイゴン大聖堂の名前を挙げた。教会前でありながら、飲んでもオッケー、ケーキを食べてもオッケーとゆるい。その結果、多くの人が集まってきて、市民の憩いの場となっている。

映画『ローマの休日』を思わせるクラシカルなバイクは、石畳や石造りの建物などフランスっぽい雰囲気が残るホーチミンの街とよく似合う。街灯の白熱灯が放射するオレンジの光に照らされた彼女のむきだしの太ももは、人を開放的にさせる不思議な魔力に満ちた南国の夜に咲いた花。

あどけなさを残す2人もバイク越しに仲良くデート。ベトナムではバイクのことをホンダというほど浸透していて、ホンダとヤマハを合わせるとシェアは95%!国全体で3700万台あって、年間300万台売れるという。

ホーチミン市内中心部にある中学高校一貫の名門私立レ・クイ・ドンの女子高生たち。白いアオザイが制服になるのは高校1年生以上。数年前までは毎日アオザイを着ていたが、現在は月曜日だけという。授業の終了時刻に合わせて、100人は下らない数の親が校門前に待機し、子どもが出てきたらバイクに乗せてそのまま帰宅。ベトナムでも過保護な教育パパ&ママが増殖中。

レ・クイ・ドンの制服を着た女子高生たち。休憩時間になると校門から出てきて、外に並ぶ屋台で昼食やおやつを買う生徒も。警備員も屋台の人を追い返すことはないし、生徒たちは嬉々として欲しいものを買っていく。毎日が縁日のよう。

レ・クイ・ドン高校の校門の側にいた女子高生は、近くにある別の高校に通う。レ・クイ・ドンで学ぶ兄を待っていた。名門の高校で学ぶ生徒ともなると英語でのコミュニケーションも難なくこなせる。ベトナムでは外資の会社もどんどん入ってきており、外国人観光客相手の商売も多く、英語は日本よりもずっと身近。

ホーチミンの象徴の一つである市民劇場で行われている『À Ố Show』に出演した女優。17名のパフォーマーと、17種類の伝統的な楽器を操る5人のミュージシャンが繰り広げる、ベトナムを舞台にした物語世界は幻想的。シルク・ドゥ・ソレイユでも活躍していたトゥアン・レーが監督を務め、アクロバット、演劇、ダンスの要素を取り入れた本格派の劇場サーカス。不定期で開催されており、2014年の公演も決定している。
【公式サイト】www.aoshowsaigon.com

ABタワーにあるチル・スカイバーから見渡すホーチミン中心部では、数年前まではほとんどなかった高層ビルが林立し、いたるところで新しいビルが建設中。経済は活況を呈しているが、貧富の格差が日本以上に大きいのも事実。共産党関連の利権を得た富裕層をはじめ、ビジネスのためにホーチミンに滞在している外国人など、限られた人でないとこの夜景を眺めることはできない。

ベトナム戦争でサイゴンが陥落した際、国外に出たベトナム人も多い。彼女も亡命し、映画雑誌としてはフランスで一番発行部数が多い『Première』誌で編集長を務めた。息子はシューズのデザイナーとして活躍する。彼らがコーヒーを飲んでいたおしゃれカフェはドンコイ通りにある「L'USINE」。服のセレクトシップも兼ねる。
【ショップサイト】http://lusinespace.com

週末の夜、サイゴン川の対岸でホーチミンの光り輝く高層ビル群を背景にデートするカップル。川の東側にある1区は建物が密集しているが、西側はまだ草原や空き地が広がっている。経済発展によって拡大する大都市が対岸エリアを飲み込むのも時間の問題かもしれない。

ベトナムの結婚式では、来客の多くを家族や近所の人が占める。新郎新婦の友人の数は日本に比べると少なめ。家と家が結ばれたことを、近所の人たちへお披露目する印象が強い。このときは、女性ばかりでなく男性でもアオザイを着ることがある。最近は、最初にアオザイを着た伝統的なセレモニーをやり、後でウェディングドレスに着替えて披露宴をやることが多い。

同じ英語学校に通っている、仲良し女子高生のワン・マイ(右)とトウラン・ハムニュイ。10人ほどの女子高生、女子大生にアオザイのことについて質問したが、みな一様に「私の国の伝統的な衣装だし、美しく見えるから好き」と優等生的な答えを連発。学校でアオザイの啓蒙教育が行われているのかと思うほど。

ホーチミンからフェリーに乗って90分ほど南へ行ったところにあるブンタウ。観光名所である丘の上のキリスト像は、リオデジャネイロと瓜二つ。ホーチミンから遊びに来た2組のカップルが着ているのは、同じTシャツ、ジーンズ、パーカー。ペアルックが流行なのか、彼ら以外にもお揃いの服を着てデートする若者たちを見かけた。

日曜日、ブンタウに遊びに来ていた家族。年が少しずつ離れた3人兄弟。美人姉妹は2人ともフェイスブックをやっている。国内ではPCからだとフェイスブックへのアクセスが制限されており、ちょっとした操作が必要だという。最近、ネットで政府批判をした場合に罰せられる法律が可決されるなど、警察国家の側面はまだまだ強い。

ブンタウのビーチへ遊びにやって来た4人組。街の随所で売られている麦わら帽子をかぶり、服を着たまま海へダイヴしていった。海岸を走る彼女たちの美脚を傾きかけた太陽が照らし出す。ベトナムの女性たちはみな足がとてもきれい。世界一の脚線美と賞賛されるモデルのタイン・ハンもベトナム出身。

ホーチミン郊外で開催されたフェスイベント「エスケープ」。巨大な野外イベントに集まったのは総勢2000人。10月に開催された会はハロウィンがテーマで、みな思い思いの衣装でパーティを楽しんでいた。シーズンになると、ハロウィングッズのショップには客がひっきりなしに訪れる。既製品では満足できず、オーダーメイドで衣装をつくる強者も。

市内に2軒あるサルサクラブのイベントにて。毎週土曜日、夜中12時過ぎまで盛り上がる。大半は顔見知りで、踊るだけでなく、そこで知り合った仲間に会うためにやってくる人も多い。もう1軒のサルサイベントの主催者兼インストラクターのチュオンは20代。ビジネスも、遊びも、勢いのある若物が引っ張って、おもしろい流れをつくっている。