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ブリティッシュ・コロンビア州 横断ロードトリップ

Travelog | 2014.08.01
カナダ南西に位置するブリティッシュ・コロンビア州。大自然に抱かれた世界遺産のカナディアンロッキーから、クリエイティブなワイナリーがひしめくオカナガンエリア、そして、同州最大の都市であるバンクーバーへと、東西のロケーションをつなぐようにロードトリップを敢行した。
  • 掲載号: TRANSIT25号 ブラジル / 撮影 : 谷口 京・編集部
  • ルート: カナディアンロッキー~オカナガン~バンクーバーx

取材クルーはエア・カナダでカルガリー空港へ。そこから車を走らせ数時間。ヨーホー国立公園の中のエメラルドレイクへと到着。湖水は氷河湖特有の乳白色を呈し、太陽光と空の蒼を映している。「Emerald Lake Lodge」が湖畔にあり、宿泊はもちろん、食事ものんびりと楽しめる。ここは、カナディアンロッキーの中でも静かで落ち着いた雰囲気。


この日はショートトレッキングへ。この一帯は、「カナディアンロッキー山脈自然公園群」として世界遺産に登録されている。タカカウ滝はカナダ最大級の落差を誇る。氷河から轟音を立てて水が流れ落ちる様は圧巻。


日帰りのトレッキングコースも多く、手軽に大自然を楽しむことができる。健脚向けとされる「Yoho Pass」のハイキングコースをセレクト。タカカウ滝から登り、アイスラインをかすめてYoho Lakeを経由し、エメラルドレイクへと辿る。ロッキーならではの雄大な氷河と滝の景観を望める10kmほどのルートだ。


宿泊は「Cathedral Mountain Lodge」へ。暖炉を備えたログキャビンは贅沢の一言。周囲は大自然に囲まれていて、非日常を感じるにはこれ以上ない空間。ロッジの裏手には川が流れ、ベンチに腰を下ろして水の音に身をゆだねれば、五感が研ぎすまされていく。

photography=KEI TANIGUCHI


西へ向かい、景色は山岳地帯からおだやかな丘陵地帯へと変わっていく。温暖な気候で知られるオカナガン地方は、古くからカナダのフルーツベルトとしても有名。乾燥した気候と大きな寒暖差は葡萄の生育に最適で、優れた気鋭のワイナリーが点在する。「Summerhill Pyramid Winery」は、オーガニック100%にこだわったワイナリーで、ユニークなのはピラミッド型のワイン熟成庫。特別なパワーを受けてワインに独特の深みと味わいが出るそう。スパークリングワインやアイスワインが高い評価を得ている。

photography=KEI TANIGUCHI


Mission Hill Winery」は、オカナガンエリアを代表するワイナリー。丘の上の広大な敷地と古城のような建物は、オカナガンワインの盟主といった佇まい。世界的な賞を受賞しているワインも多い。2013年には英国のワイン専門誌『Decanter』にて、15ポンド以下の部門でのベスト・ピノ・ノワールにも選ばれている。また、『Travel & Leisure』の「世界のトップ5ワイナリーレストラン」にも選ばれた「テラスレストラン」は、湖の絶景を望みながら、ワインによく合う料理を満喫できる。
photography=KEI TANIGUCHI

ワインテイスティングは是非とも体験したいアクティビティ。葡萄の品種による味わいの違いだけでなく、食べ合わせによる風味の感じ方を知ることもできる。ゆっくりと気がすむまで、自分の好みのワイン探しを楽しんでみてほしい。
photography=KEI TANIGUCHI

Hester Creek Winery」は、トスカーナ風のインテリアのヴィラを併設したワイナリー。部屋からは葡萄畑の美しい風景が広がり、カラッとした風が吹き抜ける丘の上で、ワインを嗜みながら過ごす時間は格別。
photography=KEI TANIGUCHI

オカナガンエリアが注目されている理由のひとつにあげられるのが、クリエイティブなワイナリーの存在。周辺には160以上のワイナリーが点在し、それぞれが個性的なワインを提供していている。しかもそのほとんどは海外へ流通せず、ここでしか楽しめないという希少さも人気の理由だろう。
photography=KEI TANIGUCHI

整然と敷かれた葡萄畑。オカナガンの日照時間は年間2000時間を超えるという。穏やかな丘陵地帯は、のんびりと過ごすのにも最適だ。
photography=KEI TANIGUCHI

ワインと一緒にいただく食事も格別。ワイナリーの多くはレストランも併設されていて、洗練された料理を味わうことができる。地元で採れた野菜や魚など食材は豊富。
photography=KEI TANIGUCHI


畑を散策すれば、葡萄が実っている様子を観察できる。同じ品種のワインでも、つくり手が異なれば味も違うので、ワイナリーを巡りながら飲み比べするのも楽しい。


地下にあるワイン貯蔵庫。ひんやりとした空気で満たされ、じっくりとワインが熟成されている。


Covert Farms & Winery」。オカナガンを代表するオーガニックフルーツ&ベジタブル農場のひとつ。ヴィンテージ車である1952年製Mercuryのピックアップトラックに乗り、ガイドと一緒にファームを巡ることもできる。ツアーに参加して、広大な葡萄畑の中をドライブするのもオツなもの。


オカナガン地方の南ペンティクトンでは、浮き輪での川下りツアーが人気。カナダらしいのんびりとしたアクティビティだ。

photography=KEI TANIGUCHI


ロッキーからオカナガンへ向かう途中で出会った、ハーレーダヴィッドソンを駆るオジサンたち。見た目は怖いが意外とフレンドリーで、「俺の愛車を撮れ!」とお茶目な要求。
photography=KEI TANIGUCHI

海に囲まれたバンクーバーには、海沿いに印象的な建物が並ぶ。1986年バンクーバーEXPOのサイエンスワールド(右)や、BCプレイススタジアム(左奥)など。カヤックやボート競技もここでは盛んだ。
photography=KEI TANIGUCHI

スタンレーパークからダウンタウンの高層ビルを望む。街のすぐそばに大きな公園があって、高さが70mを超える針葉樹林など本格的な自然と身近に触れられることも、バンクーバーを世界有数の都市たらしめる理由。
photography=KEI TANIGUCHI

キツラノビーチ。夕焼けスポットとしても人気があり、遠くにダウンタウンの高層ビルと山々を望みながらのんびりすごすことができる。ビーチに打ち寄せる波の音とギターの音色が穏やかに流れる。
photography=KEI TANIGUCHI

海辺でバースデーパーティーをしていたのは、コロンビアから移住してきた家族。バンクーバーは移民が多い街としても知られる。外国生まれの移民が人口の4分の1を占め、英語以外の言語を母国語として使う人が52%に達するなど、多文化社会が特徴。
photography=KEI TANIGUCHI

市街から少し足を伸ばせば、そこは大自然のど真ん中。はじめに訪れたのは、巨大な吊り橋があるキャピラノ渓谷。崖の上から伸びる展望遊歩道の「クリフウォーク」は、高さ91m、全長は213mもある。
photography=KEI TANIGUCHI

高さ70m、長さ137mの吊り橋はスリル満点。渓谷の周辺には森を歩くことのできるトレイルやビジターセンターなどもあり、手軽に自然を楽しむには最適。ローカルには近くのリンキャニオンも人気。
photography=KEI TANIGUCHI

バンクーバー市街のハイウェイを走ると、高層のオフィスビルやマンションを見て取れるが、デザインがなかなか秀逸。市街はもちろん、ワイナリーやバンクーバー郊外を巡っていて気づいたのが、食、建築、プロダクトなど、あらゆる面において"洗練されている"ということ。すべてにおいてクリエイティブな要素がちりばめられている。
photography=KEI TANIGUCHI

夜景も綺麗だよと勧められ、ふたたびウォーターフロントへ。暖かい街の明かりが水面に揺れている。ブリティッシュ・コロンビア州を横断するように駆けた今回の旅。楽しんだアクティビティは、バンクーバー市民が日頃から親しんでいるもの。素敵なカフェでコーヒーを飲み、公園を散歩し、夕焼けを海辺で眺めていると、いつかはここに住みたいと思いはじめてしまう。「暮らすように旅をする」というスタイルがブリティッシュ・コロンビアの旅にはよく似合う。

  • 掲載号 : TRANSIT25号 ブラジル / 撮影 : 谷口 京・編集部
  • ルート: カナディアンロッキー~オカナガン~バンクーバーx