ふたりの男、ヒマラヤを歩く(2)
- 掲載号 : TRANSIT 5号 美しきヒマラヤが呼んでいる / 撮影 : 三田正明
- ルート: ルクラ〜ナムチェ・バザール〜ゴーキョ〜チョラ・ラ〜ゴラクシェプ〜カラ・パタール〜エベレストB.C.

ネパールの山岳民族のなかでもシェルパ族は特に信心深いようで、エベレストへと続く街道沿いには大きなマニ石(お経を彫り込んだ石)や立派なゴンパ(僧院)が数多く点在する。これはサガルマータ国立公園入口に掲げられたタンカ(チベット仏教の仏画)。ここから先が神の住む領域なのだということを否が応でも感じさせられた。

ナムチェ・バザールからゴーキョー・トレイルへと向かった。標高3000mから5000mへと続くまさにスカイライン。エベレストBCのトレイルよりも比較的なだらかで人も少ないのでのんびり歩ける。本当に素晴らしいトレイルだ。

ネパールは粗悪コピーのアウトドアウェア天国で、山岳地帯ではすでに新しい民族衣装と言ってもいいほど幅広い世代に広まっている。シェルパ族のおばあちゃんがノースフェイス(もちろんニセモノ)のダウンを着ているのだ。でも、彼のジャケットはマウンテン・ハードウェアではなく「エベレスト・ハードウェア」。一応本物?

標高4300mのドーレのロッジ群。ナムチェを越えるともう「村」はなく、あとはトレッカーのためのロッジが数軒集まった集落が2~3時間おきにあるだけだ。こんな場所にも住み着いて商売するシェルパ族って本当にたくましいというかなんというか......。

南アフリカから来たというベテラン・トレッカー。エベレスト一帯はガイド付きの団体ツアーが多くて、彼や僕のようなソロ・トレッカーはまれだった。

高地にしか住めないチベット原産の毛長牛、ヤク。だがすでに牛や水牛との混血化が進み、ネパールに本物のヤクはいないらしい。恐ろしくタフでたくさんの荷物をはこんでくれるので、エベレスト登山もシェルパの生活もヤクがいなければ始まらない。

夏の間のヤクの放牧小屋。一体いつ頃建てられたものなんだろう? 景色は中世からまったく変わっていないようだ。

ポルツェテンガのロッジで、日本人のトレッカーが高山病で亡くなるという事態に遭遇した。とてもショックだった。近くの村からラマ僧が来て、経をあげていた。力強く魂に突き刺さるような経だった。亡くなられた方は本当に残念だったけれど、きっと迷わずあの世へ行けたと思う。












