TRANSIT /  Travelog  / TRANSIT12 / INDIA  / here

月に照らされてインドの西へ

Travelog | 2011.04.27
インドの西、砂埃の舞う大地に脈々と生きるロマが奏でる音楽を求め、ピンクシティと呼ばれるジャイプルからブルーシティ、ジョードプルを経てゴールデンシティ、ジャイサルメールと、カラフルに彩られた街を旅した。そしてさらに西へ、満月の下行われるデザート・フェスティバルへはラクダに乗って向かった。

インドの首都デリーから西にある旧市街ジョードプルがタール砂漠の玄関口となる。かつて王宮のあったメヘランガル城からは、青い家並みを望むことができる。

ジョードプルでは目印となる時計台を中心に賑やかなバザールが広がっていた。人も自動車もオートリキシャも狭い門をすれ違う。

あまり観光客が訪れることのないメヘランガル城の反対側にも青い街が広がり、人々は静かに生活している。男たちは午後になると、そこかしこでトランプに興じていた。

2月はちょうど結婚式のシーズン。披露宴会場の外は電飾で飾られ、マーチングバンドが歓迎する中、新郎が白馬に乗って現れた。費用は全て新婦の父親が持つという。

この披露宴は比較的裕福な家庭なのか、屋台村であるかのように食事がふんだんに振る舞われていた。誰もが新郎新婦そっちのけで皿を持ってまわる。

インドといえばヒンドゥー教、かと思えばジョードプルの40〜50%はイスラム教徒だという。ちょうどムスリム・パレードが行われ、参加者には菓子パンが振る舞われていた。

祭のような山車からトラクター、馬、ラクダに跨がり、参加者の熱狂はさながらムスリム・プライド。参加者は男だけで、女性たちは沿道から見ているだけだ。

あまり裕福ではない家でも新婦の父親が結婚費用を持つのは変わらない。それでも大きな会場ではなく、近所で集まって賑やかに祝われる。

ようやく出会えたカルベリアの楽団「Kalunath Kalberia」を率いるKaluram。彼らもかつては家を持たぬ、流浪の民であった。現在は音楽で世界の音楽祭に招待される。

楽団は家族で構成される。ダンサーはKaluramの娘たち。蛇使いの家系を感じさせるカルベリア・ダンスは、蛇のような手の動きが特徴的。

急遽、彼らの家の屋上でパフォーマンスを行ってくれた。Kaluramが切り開いたのは、カルベリアだけではなく、ランガというムスリムの演奏家の家系と一緒に演奏することだ。

満月の夜、ミュージシャンたちがタール砂漠の最後の都市、ジャイサルメールに集うと聞きつけ、今度の旅ははじまった。キャメル・レース、空軍ショウの後にみんな演奏を待つ。