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月に照らされてインドの西へ

Travelog | 2011.04.27

毎年ミスター・デザートが選出される。立派な髭が勝敗のポイントだ。偶然、彼の家を訪れることになるが、自ら楽器を作り、演奏活動をするミュージシャンだった。

ジャイサルメールだけでなく、北インド中から集まった楽団が次々とステージに上がる。孔雀のダンスを踊るこの楽団は、遥々マトゥーラから来たという。

ステージ裏には、出番を待つダンサーやミュージシャンが控えていた。僕らはバックステージに潜入し、彼らの話を聞いていた。しかし砂漠の夜は寒い。

砂漠の満月は比較対象がないが、サム砂丘からふと見上げた時の白い月はかなり幻想的だった。

デザート・フェスティバルが終了し、皆一斉に帰路につく。砂漠にはサファリ用のテント村が点在し、広場ではカルベリアが踊っていた。

早朝、突然現れたラクダ使いの少年に起こされてサム砂丘とは別の砂丘へ連れて行かれる。早朝は凍えるように寒く、深い霧が立ちこめていた。流れに身を任せるのも大変だ。

ジャイサルメールの街で、丘に張り付くような音楽家たちのかなり質素な集落を訪ねた。ランガなど、それぞれの楽器やカーストに分かれて住んでいた。

砂漠で未だ移動を続けるカルベリアの村まで会いに行く。観光客が来る季節が終われば彼らはまた砂漠を移動する。そうして彼らは長いこと旅を続けてきた。

砂漠の向こうにあるパキスタンとの国境も彼らはやすやすと越える。木の枝やトタンで組んだ簡素な小屋ではチャイもごちそうになった。

アジメルからプシュカルへの山越えの途中で、青い制服の子どもたちが整列するのが見えた。ラジャスタン州からボーイスカウトとガールスカウトの大会のリハーサルを見学した。

小さな湖を囲むプシュカルはヒンドゥー教の聖地。沐浴用のガートはインド中からの巡礼者で賑わう。人は祈り、神に供えものをし、牛や鳥がそれを食べる。

人で賑わうプシュカルのガートも朝は静かだ。薄い光が湖面を反射、活動を始めた鳥たちがその上を滑る。また一日の始まりを自覚する。

ピンクに彩られたジャイプル郊外のアンベール城では観光客を運ぶ象たちの家へ。その待遇を心配しながら、象使いが寄り添う姿に少しほっとした。