アルゼンチン音響派、アレハンドロ・フラノフ来日

Info | 2013.07.02

TRANSITアルゼンチン号でも紹介した
アルゼンチン音響派を代表するアーティスト、
アレハンドロ・フラノフ氏の来日ツアーがいよいよ今月末からスタートする。
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ツアーに先立ち、7月17日(水)に、現在は入手困難となっている
フラノフ氏の過去の名盤2作品
『Yusuy(ユスイ)』『Opsigno(オプシグノ)』が再発される予定だ。
ギター、チャランゴ、シタール等、様々な音が詰まった
宝石箱のような楽曲には、アルゼンチンの大地を愛する
フラノフ氏の感性が響いている。

10年ほど前に南米音楽専門店でひょんなことから
フラノフ氏の音源を聴いた。アンビエントでも電子音楽でもなく、
どのジャンルにも当てはまらない
不思議な音の感覚を味わい、身震いしたのを覚えている。
心地よいリズムをもって音が体に染み渡っていった。
その後、日本で「音響派」と括られたアルゼンチンの
アーティスト一派がいることを知った。

今回のツアーは、ジャズ〜実験音楽と幅広いジャンルで活躍中の
実兄セサル・フラノフ氏との共演となる。
130701_03.jpg手前:アレハンドロ 奥:セサル

アレハンドロ氏に話を聞くことができたので、
その一部を紹介したい。

---- 様々な楽器で音を重ねたレコーディングをしていますが、
演奏は一人でしているのですか。

アレハンドロ氏、以下A「楽器はできるだけ自分で演奏し、
それを多重録音していきます。より豊かな味わいを加えるために、
友人に演奏を頼むこともあるけれど、可能な限りは自分で演奏するのが好きです」

---- 2012年発売の『Champaqui(チャンパキ)』は、
アルゼンチン・コルドバ州にある山の名前ですが、
土地や景色からインスピレーションを受けて制作することは多いですか。

A「そうですね。『チャンパキ』は、大自然の不確定な要素に合わせ
声を伴わないアンビエントの作品にしました。
アルゼンチンには沢山の美しい景色があります」

---- 90年代から、日本で「アルゼンチン音響派」として
広く知られるようになったことをどのように感じていますか。

A「『音響派』は実に美しいコンセプトだと思います。
母国では『実験的』『即興音楽』と捉えられることに違和感を感じます。
私は音や音色に焦点を当てて制作するので『音響派』という言葉に共感しています」

---- アルバム『Khali(カーリ)』は、インド神話の女神の名ですが、
東洋の思想に影響された点などはありますか。

A「確かに影響を受けました!これまでに沢山の伝統的な仏教の瞑想をしてきて、
本当に素晴らしいと感じています。『カーリ』は瞑想を通して沸き上がった感覚を
捉えた作品です」

---- 日本のオーディエンスの反応をどう感じていますか。

A「とても温かく尊敬でき、また繊細だと思います。
日本で再び演奏できることが嬉しいです」

---- 最後に、これからの活動についてお聞かせ下さい。

A「"The Trees Tuner"という物語のシリーズのためのピアノの作品を準備しています。
自分の曲を演奏するために新しくバンドも組みました」


一つ一つの言葉から、その温かい人柄が伝わってくるようだった。
アルゼンチンの自然と一体化した彼の感性が音に命を吹き込んでいるのだ。
10年前、なぜあのように体に音が入り込んできたのかが、今わかったように思う。
響かずにはいられない音が、ここにある。


ツアーは、7月27日(土)の東京を皮切りに、名古屋、京都、大阪、福岡など
全国を周る。詳細情報はこちらより。


Alejandro Franov(アレハンドロ・フラノフ)
1972年生まれ。ブエノスアイレス在住。
「アルゼンチン音響派」最重要人物の一人。
シタール、アコーディオン、キーボード、ギター、パーカッション、
ボーカルと何でもこなしマルチ奏者で「音の妖精」の異名をもつ。
フアナ・モリーナのプロデュースなどでも知られる。最新作『Champaqui』では、
近年の作風とは一転し、
瞑想的なサウンドスケープを聴かせ、アンビエント層にも人気が浸透している。

Cesar Franov(セサル・フラノフ)
1965年生まれ。ブエノスアイレス在住。
アレハンドロの実兄であり、弟同様にマルチ奏者で、ピアノや
電子楽器なども操り、スムーズなジャズから実験音楽まで奏でる。
数多くのアルゼンチンのミュージシャンと共演、ツアー経験をもつ。

お詫びと訂正