3月19日(金)発売のTRANSIT最新号
東京特集の中身をチラ見せ!

Info | 2021.03.17

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ささやかな漁村だった入江のほとり、江戸という場所に幕府が開かれてから400年超。武士や町人の文化が花開いた江戸時代、文明開化を迎えた明治、関東大震災で街の大半が燃え再建が急がれた大正、軍国主義のなかで発展した街が東京大空襲で焼け野原に、そこから復興を遂げてバブルまで駆け抜けた激動の昭和、低調な経済のもと若者文化が多様化した平成、そして令和――。明るい時代と厳しい時代を繰り返しながら、東京は大きく発展していきました。今でも目を凝らせば街の節々に各時代の名残を見つけることができます。それは遺構であったり、町に残る文化や風習であったり、一人ひとりの思い出だったり。新型コロナウイルスの感染拡大という歴史的な危機に翻弄され、オリンピック・パラリンピックの開催すら宙に浮いている今、それでも人が集うこの都市について改めて考えてみたいと思いました。かつての姿を思い出しながら、時代を超えて東京を探索した1冊です。

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巻頭グラビアを飾るのは、フォトグラファーの佐藤健寿さんがヘリコプターで東京の都心から多摩エリアまで、東京を横断して空撮した「トーキョー・オーバービュー」。社会学者の若林幹夫さんには東京の時間軸、空間軸をめぐる論考を寄せていただきました。


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そして、まずは江戸時代へタイムトリップ。当時庶民が楽しんだ落語で語られた愉快な小噺を思い浮かべながら、浅草や築地、王子などゆかりの地を巡ります。また、東京で生まれ育ち、16歳で落語の世界に入った真打・柳亭小痴楽さんに、現代の江戸っ子がみる東京について語ってもらいました。


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つぎは文明開化で西洋の文化が一気に入り込んだ明治・大正時代。作家・小林エリカさんが、関東大震災から復興し一層華やいだ時代と現代がクロスする、夢のような物語を寄せてくれました。

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時代は、第二次世界大戦が東京に大きな影を落とした昭和へ下ります。東京大空襲で人びとが焼け出された地獄絵図を目の当たりにしながらも、ヤミ市などが広がる復興期、そして華々しい街へと変化した高度経済成長期を力強く生き抜いた先人たちを、文筆家のフリート横田さんが訪ねました。


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人口が急速に増えた昭和後期は、東京の人びとが郊外に広がっていった時代でもあります。代表的なのは1960年代から建設が始まり、一時は30万人もの人口を擁した多摩ニュータウン。1980年代に家族で多摩ニュータウンに暮らした作家・中澤日菜子さんが、当時の様子を振り返ります。

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みんなが同じ方向を向いて頑張る昭和の時代から、バブルがはじけた平成へ時代は移ります。東日本大震災という悲劇を共有し、価値観が多様になった平成を舞台に、東京で生まれ育った著者が、東京の特異性について考えます。


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暮らしの場としての東京は、課題も山積しています。過剰な人口増加による弊害もまだまだ存在するこの都市のあり方について、多方面から考えてみた「東京未来地図」も必読です。

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付録は「東京の、100年先も残したい風景」と題した小冊子。横丁や銭湯、立ち食いそば、喫茶店など、昔から東京の風景の一部を担ってきたお店や建物などを、各分野に詳しい識者に、その想いとともに教えてもらいました。

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ほかにも、世界の首都と東京を比較したり、街の発展の歴史を振り返ったり、東京のことを深く知る企画がいっぱいです。各時代に想いを馳せて、多層な東京の街を散策してみませんか?

お詫びと訂正