東京の未来を考えるキーパーソン
「子育て応援車両」導入へ
平本沙織さん
【51号 東京を時空旅行!】

Info | 2021.04.21

約1400万人もの人口を誇る巨大都市・東京。
  
多くの人が暮らしているからこそ、多様な個性や暮らしのかたちがあり、それゆえの課題や衝突も生まれています。
  
今、そのような問題を解決し、誰にとっても心地よい東京を実現するため、 声を上げている人びとがいます。
 
現在発売中の『TRANSIT51号 東京 江戸から未来へ時空旅行!』では、東京の明るい未来を実現すべく、課題解決に取り組む方々に話を伺いました。
   
東京での子育てをきっかけにアクションを起こした社会活動家の平本沙織さんのお話の一部を抜粋してご紹介。



 
 
 
 
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ひらもと・さおり●日本女子大学家政学部卒業。「雇用関係によらない働き方と子育て研究会」「子連れ100人カイギ」「子どもの安全な移動を考えるパートナーズ」といった多様なプロジェクトを手がける。現在は東京以外に、飛驒高山や大分県竹田市で多拠点生活を送る。
  
 
 
母の声から生まれた 「子育て車両」
 


2021年春から、都営大江戸線をはじめとする各路線に「子育て応援車両」が広がる。
 
「子育て応援車両」とは、小さい子どもがいる親が安心して気兼ねなく電車を利用できるようにするためのもので、2019年7月から都営大江戸線で試験的に導入されていた。
 
提唱者は、起業家で一児の母でもある平本沙織さんだ。
 
2017年、平本さんは待機児童問題に直面し、自宅から 4 駅も離れた保育園に毎朝子どもを送り届ける必要があった。泣く泣くベビーカーで電車に乗る日々だったが、舌打ちをされたり、「この時間にベビーカーで乗るな」という罵声を浴びせられたりして何重にも傷ついた。
 
女性の社会進出や少子化対策が叫ばれている社会、公共交通機関を利用して、なぜ邪魔者のように扱われるのか。
 
そんな悔しい思いから、自分と似た境遇の保護者にアンケート調査を実施。多くの保護者が同じ悩みを抱えていることを知り、子育て応援車両の導入を求める要望書を小池百合子都知事に提出するに至った。

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平本さんの活動は幅広く、2017年には渋谷のビルの1フロアを共有する「Cift(シフト)」というコミュニティの立ち上げにもかかわっている。メンバーはお互いを血縁ではなく意識でつながった「拡張家族」と考え、本物の家族のように支え合う。
 
「東京は多様性に富んだ便利な街ですが、それゆえ接点がない人を思いやる心のゆとりを失いがちです。周りの人のことを家族のように考えられるようになれば、朝の満員電車で私が経験したような出来事もなくなると考えています」
  
text=MISAKO TATEOKA


210417_transit51.jpgTRANSIT51号の誌面




 
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『TRANSIT51号 東京』はこのほかにも東京の歴史・現在・未来について深く知る企画が詰まっています。
時代に想いを馳せて、多層な東京の街を散策してみませんか?
 
 
 

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