第2回「京都文学賞」受賞作決定!
一般・海外部門 最優秀賞は
米国生まれの作者が描く
『鴨川ランナー』

Info | 2021.04.01

京都文学賞アートワーク(今村遼佑).jpg©今村遼佑
 
川端康成の「古都」、三島由紀夫の「金閣寺」、芥川龍之介の「羅生門」をはじめ、幾多の小説の舞台となり、また多くの作家を輩出してきた、文学の都でもある京都。
 
そんな京都で2019年からはじまったのが「京都文学賞」。京都を題材とする未発表の小説であれば、ジャンルを問わずに応募できる文学賞だ。
 
審査員には京都在住の作家いしいしんじさん、京都を舞台にした小説も描いた原田マハさんらが顔を揃える。
 
この賞の特徴は、一般の読者が「読者選考委員」として作品の選考ができるところ。応募で選考委員に選ばれれば、純文学、ミステリー、ホラー、SF、歴史、青春ものなど、新たな視点で京都を描いた小説を、いち早く読むことができる。

そんな京都文学賞の、第2回受賞作が決まり、3/30には授賞式が行われた。受賞作を少し紹介していく。


一般・海外部門 最優秀賞
『鴨川ランナー』
グレゴリー・ケズナジャット・著

アメリカで日本語を学んでいた青年が、京都で暮らして感じたこと。異国で暮らす青年の心の機微を描いた物語。作者のグレゴリー自身が京都に住んでいた頃に、日本語で日記をつけていたその断片が小説のソースになっている。外国人として日本語で文章を書くことの摩擦、ぎこちなさ、その感覚を大事にして小説が描かれた。単行本の刊行も予定。


一般部門 優秀賞
『つじもり』
丸本 暖・著(まるもと・だん)

京都で大学生活をはじめた主人公・間宮。道路好きな風変わりな間宮は、「交差点管理人」という謎めいた伝統制度の一員になる。京都の交差点を舞台にした奇想天外な物語。


一般部門 優秀賞
『鬼灯』
家野未知代・著(いえの・みちよ)

十八歳のときに家を飛び出したみち江は、65歳になった今まで、一度も両親に会っていない。両親に対する複雑な感情は、乾いた翅のようなものに覆われ赤く熟した鬼灯のように疼いている。隣人との交流を通して、一人の女の変化を綴った。


中高生部門 最優秀賞
『鴨川の詩』
足立真奈・著(あだち・まな)

文学賞の受賞パーティーで、一人の作家が十年前のある日のことを思い返していた。夢に破れた青年、ミュージシャン志望の男、ある決心をした若者とその父親。ギターケースを持つ男。京都の鴨川で彼らの人生が交差していく。


中高生部門 優秀賞
『カタストロフ』
大鹿日向・著(おおしか・ひゅうが)

将来の夢もなく、それでも勉強を強要される生活に疲れ切った少年ひなたは、余命宣告を受けた少女こかげと出会う。人生に絶望した少年と少女のひと夏の交流を描いた恋愛劇。



書き手としても、選考委員としても、読み手としても、いろんな関わりかたができる「京都文学賞」。作品の一部は刊行される予定もある。ぜひ文学を通して、新しい京都の姿を発見しよう。これから発表される第3回の募集もお見逃しなく。



「京都文学賞」HP

第二回受賞作発表ページ

お詫びと訂正