本当にあったこわい話?
京都に暮らすよそさん体験談
【52号 小さな京都の物語を旅して】

Info | 2021.06.24


外から来た人が京都で暮らすのは、ハードルが高いと言われることがありますが、それは本当なのでしょうか?


もしもよそさんが京都に暮らしたら、どんなことが待ち受けているのか。
京都在住のよそさんたちに聞いた体験談から検証してみました。


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1. 京都人と結婚したら?
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半ば無理やりに相手の実家近くに住まわされる、という話も聞くけれど、お家柄・土地柄によるところが大きいよう。

ただ、公私ともに出身区・地 域からほとんど出ずに暮らす京都人は多い。

「馴染みがない」から行かないし、住まない。結果的に実家近くに住んでいる、ということはよくある。また、有名な神社仏閣に行ったことがなさすぎ! 名店を知らなさすぎ!というのも、府外の人が驚く京都人あるある。

 



2.よそさんは京町家を借りられない?
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チェーン系の不動産屋が扱う物件なら大丈夫。
問題は、京都に多い地場の不動産屋の場合だ。実際、京町家のような古い建物や土地は彼らの専売物件というケースが多く、初対面だと貸し出しを渋られることもある。

契約の直前で「親戚が貸りたいと言うてて」と断られたり、交渉の途中で連絡が途 切れてしまったりすることも。
ハードルは高いが、事前に大家さんや不動産屋さんを人づてに紹介してもらうのがベスト。





3.街中は行事が多くて大変?
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市内中心部に限らず、どこも自治会(町内会)の結びつきが強いのが京都。
祭りや地蔵盆などの伝統行事の進行役はもちろんだが、自治会の役割はそれだけではない。回覧板の回覧や町内会費の回収、国勢調査などの日頃の細かい業務から、区民運動会や「火の用心」を呼びかける夜警といった行事まで。役員にもなると、その業務は多岐にわたる。

逆に言うと、それほどご近所とのかかわりが大事にされているのだ。



 

 
4.子どもがいなくても、学区が重要?
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京都でいう学区は、小学校の区域のこと。
京都人同士の自己紹介では「どこ学区?」 と会話に登場するほど重要で、区民運動会をはじめ市民生活のほとんどがこの学区単位で行われる。

というのも京都では、学制(明治5年)が敷かれる前、全国に先駆けて地域住民が資金を出し合い64校の番組小学校が作られた歴史がある。

小学校は"自分たちのもの"であり学区のシンボルという意識が今も定着しているのだ。

 



5.店が常連客ばかりで入りづらい?

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京都の花街や繁華街にある繁盛店には「一見さんお断り」の店も多い。
地元の常連さんと行くのがベストだが、難しければ、せめて誰かの紹介で行くこと。

高級ホテルのコンシェルジュサービスを使うのも手。店によっては、事前に電話で店への特別な思いを伝えると迎えてくれる場合もある。
いずれにせよ、店のことを理解している姿勢を見せるのがポイントだ。幸運にも入れたら、帰り際に次回の予約を忘れないこと。


 

6.学生街も家賃が高い?
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建物の高さ制限があり、物件の供給数 ・ 流通数が少ない京都は意外と家賃が高い。 中心部の中京区・上京区が高いのは仕方がないが、大学・学生の多い左京区・北区もそこそこ値が張る。

SUUMOのマンション価格相場MAP(関西版)によると、左京区・北区のマンション価格相場(70m²)はそれぞれ4512万円・5595万円で、梅田のある大阪市北区5047万円、三宮のある神戸市中央区4623万円とも並ぶ。

 




7.ある日いきなり優しくなる?
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ご近所さんと仲よくなるには、地域行事に参加するのがベスト。
自治会の役員をかってでたり、近所の掃除や古紙回収を手伝ったり、祭りに加わったり。地域の文化を尊重しているのが伝わると、距離が一気に縮まる。

仕事面では、大胆なことをするよそ保守的な京都人に意外と歓迎されるというのもおもしろい。
自分が目立つことは望まないが改革に対しては積極的で、背後から手厚くサポートしてくれたりする。




 
8.やはり言葉には裏がある?
 

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ハイコンテクスト社会といわれる京都。
はんなり・やんわりした京ことばには深みや含みのある表現が多く、文脈や空気を読む力が求められるため。そこでは論理的な解釈ではなく、感覚的に耳を傾けることが必要になる。

京ことばのスローなペースに戸惑って、先走ったり知っているつもりで話を進めると失敗のもとに。聞き上手になり、ゆっくり慎重に会話を重ねていけば、徐々に彼らの本音が見えてくる。


 


9.NGワードがある?
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京都では、話す相手によっては人を不快にさせるNGワードが存在する。
大文字焼きではなく「五山の送り火」(山が焼けているんじゃない!)で、東京へ行くのは上京ではなく「東下り」(都は京都。そこから下るのだから)。

また京都弁ではなく「京ことば」(地方訛りではない ! )が京都では正解。
これらを生粋の京都人、とくに年配の方に対して使うと、しばしばお叱りを受けることもあるそうだ。徐々になれていこう。

 


10.京都人へのお土産に和菓子はタブー?
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普段からおいしい和菓子が身近な京都人へ、府外からのお土産に和菓子を選ぶのは、 自分で自分の首を締めるようなもの。ここは黙って洋菓子にすべし。

京都人は意外とミーハーなので、京都にはまだ上陸していない名店のチョコレートや、数量・期間限定のマカロンなど話題のスイーツなら大歓迎!
一方で、昔から商売人の多い土地柄、名より実をとる感覚も強いので、気取らずおいしいB級グルメも喜ばれる。




text=YU IKEO

illustration=YO UEDA

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「TRANSIT52号 小さな京都の物語を旅して」は、日本が世界に誇る「京都」について深く知ることができます。伝統と新しさ、独自の文化が育まれた京都に想いを馳せて、旅してみてはいかがでしょうか。

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