お茶の京都へ小旅行!
茶畑、茶商、茶屋を訪れ
宇治茶を知り尽くす旅
【52号 小さな京都の物語を旅して】

COLUMN | 2021.07.06

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©MAI NARITA


お茶といえば、やっぱり宇治。茶舗や茶屋が集まる宇治市に加え、茶畑が広がる宇治田原と和束(わづか)にも訪れたいスポットがある。飲んだり、眺めたり、さまざまな角度から宇治茶を楽しめる場所を紹介しよう。
 
まず向かったのは、宇治田原にある〈永谷宗円生家〉。新芽の茶葉を蒸し、焙炉(ほいろ)と呼ばれる器具の上で茶葉を手揉み乾燥させる日本緑茶の製法は、この永谷宗円により江戸時代に生み出された。その生家を復元した建物がここで、製茶道具や当時の焙炉跡が残っている。庶民にお茶が行き届くきっかけになった貴重な場所だ。土曜、日曜、祝日は内部を見学することができるので、足を運んでみよう。
 
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©️Hunini
 
〈永谷宗円生家〉
京都府綴喜郡宇治田原町大字湯屋谷 小字空広

 
 
ランチには、2019年にオープンしたという和束の〈dan dan cafe〉へ。その名の通り、緑鮮やかな茶の木のだんだん畑を一望できるロケーション最高のカフェだ。カレーやオムレツといった定番人気メニューが揃っているのに加え、スイーツも豊富で、季節限定で和束産の抹茶を使ったジェラートやプリンなどが豪華にトッピングされたパフェもある。天気のいい日は、風の通るテラス席でいただこう。
 
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dan dan cafe
京都府相楽郡和束町石寺東谷1-1
営業時間:10:00~17:00
定休日:火・水



16代つづく歴史ある茶農家があると聞きつけて、〈丸利 吉田銘茶園〉へ。伝統的な玉露の栽培方法である本簾覆下(ほんずおおいした)栽培と先代が改良した手揉み宇治製法を今も継承しており、古くから飲まれているお茶の味を堪能することができる。さらに、丸利は栂尾山にある日本最古の茶園の守り手でもある。農家直々のこだわりのお茶を、ぜひシングルオリジンで召し上がれ。

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丸利 吉田銘茶園
京都府宇治市小倉町老ノ木45-2(直営店)
営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜(5月除く)



さて、もう一軒茶園へ。〈堀井七茗園〉は足利時代より続く、宇治最古の茶園で、茶葉をブレンドして独自のお茶に仕上げる茶商としても名高い。毎年気候によって風味が変わる茶葉を見極め、茶葉の香りを引き立てる火入れや香りや旨みのバランスを整えるブレンド作業である合組(ごうぐみ)などを行うのだ。堀井七茗園は「堀井式碾茶(てんちゃ) 製造機」という歴史ある独自の技術で、宇治茶の技術向上に貢献してきた。多くの茶人に愛される抹茶や玉露などをぜひ買って帰ろう。

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堀井七茗園
京都府宇治市宇治妙楽84
営業時間:8:30〜17:30
定休日:土・日・祝日



宇治散策がてら、気分転換に〈ますだ茶舗〉のソフトクリームを食べる。大正元年から平等院表門前で営業する宇治茶専門店であり、「敷居が高く感じるお茶をカジュアルに飲んでほしい」という思いから、スイーツを販売するようになった。ソフトクリームには高級抹茶「初昔」がふんだんに使用されており、口のなかでお茶の香りが広がって美味!

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ますだ茶舗
京都府宇治市宇治蓮華 21-3(店舗)
営業時間:09:00~18:00(年中無休)
*ますだ茶舗 TEA STAND SHOPは通常、09:00~18:00/19:00~21:00
※現在はコロナウイルスの影響で、どちらの店舗も10:00~17:00で営業(不定休)



さて、本場の茶会に参加してみたいという人におすすめなのが、〈ほていまつりの茶会〉。ほていまつりは日本に茶を喫する文化を持ち込んだ隠元禅師が開いた黄檗宗萬福寺で毎月8日に開かれる茶会で、一般の人も参加することができる。場所は有声軒という四季折々の美しい風景が楽しめる趣ある茶室。着物を着て参加する人も多い。

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〈ほていまつりの茶会〉
京都府宇治市五ケ庄三番割34(萬福寺)
*詳細・予約は 0774-32-1368(全日本煎茶道連盟)へ。



最後は〈通圓茶屋〉で〆の一服。1160年に創業し、代々橋守りとして宇治川のたもとで旅人に茶を供してきたこの茶屋。江戸時代初期の遺構を残す歴史ある建物のなかで、挽きたての抹茶を惜しみなく使った茶だんご、あんみつなどの甘味もいただける。また、にしんの茶そばなどもあり。京や大和路を往き来した昔の人びとを思い浮かべながらのんびりするのもいいだろう。

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通圓茶屋
京都府宇治市宇治東内1
営業時間:9:30〜17:30(年中無休)



茶畑や加工現場といったお茶の生産地から、お茶を介した人びとの交流が見える茶会やお茶屋まで。お茶やその文化について一段と詳しくなる旅になること間違いない。

 
*今回紹介したスポットは下記のマップにまとめています。
 

*施設の営業日や営業時間は、HPをご覧いただくなどして各自ご確認ください。

TRANSIT52 京都特集の「京都郊外学習」企画にも、京都市以外の魅力溢れる郊外の京都スポットを紹介しているので、合わせてお楽しみください!


text=ANNA HASHIMOTO
 
 

お詫びと訂正