世界のカレーストーリー #4
インドネシアの黄色いスパイススープ
【53号 世界のスパイスをめぐる冒険】

COLUMN | 2021.09.27

インドや日本のみならず、世界に広がるカレーネットワーク。
その味を家でも味わいたい!というわけで、
おいしいカレーに出会える東京の料理屋さんのキッチンへ。
web記事では本誌よりもロングインタビューでお届けします。
第4回目はインドネシアの黄色いスパイススープ、ソトババットのお話です。

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Curry Story#4 / Indonesia
レモングラスとコブミカンの爽やかな風味。透き通った黄金のスープの中で、白い牛モツと透明な春雨が泳ぐ。牛モツと鶏ガラの肉の旨みが滲み出ているけど、脂っこさや臭みがなく、滋味深くて延々と飲んでしまう。カレーのような、コンソメスープのような、やさしいスパイススープ。それがソトババット。


北海道から広まったスープカレーは、ソトババットの鶏肉版・ソトアヤムからインスパイアされたという話もあって、カレーの親戚のような存在なのだ。ソトアヤムはインドネシア料理屋では外せない代表料理だけど、ソトババットをお店で出しはじめたのは、おそらくチャべが最初。開店時からキッチンを任されているスタミ・カトウさんに話を訊いた。


「私が生まれ育ったジャワ島のマランは、年に2回お米が採れる棚田の美しい山間の農村です。どこの家の裏庭でも、レモングラス、コリアンダーを育てていて、フレッシュなスパイスやハーブを料理に使っていました。ほかにも、ターメリックやガランガル、ショウガをよく使いますね」


インドネシアは90%近くがイスラーム教徒。スタミさんもムスリムで、お店ではハラールに則った食材で調理をしている。


「豚は食べず、鶏、ヤギを男たちが捌いて、女性がそれを料理していました。牛は値段が高いので、安い牛モツを買ってきて料理に使っていましたね。牛モツを使ったソトババットは母がよく作ってくれた料理でした。日本人の旦那さんと結婚したとき、私が作る料理のなかでもソトババットをとても気にいっていて、それが嬉しくて。それからお店で出すようになったんです」とスタミさん。


はじめて食べるはずなのに、おかえりとただいまを感じさせる懐かしい味。ほっとひと息つきたくなる、幸せの黄色いカレースープなのです。


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★ソトババット(2人分)

牛モツ............................200g
タマネギ........................小1個
ニンニク.........................3かけ
水....................................100㎖
コリアンダーパウダー......小さじ1
ターメリックパウダー......小さじ1
鶏ガラスープ..................300㎖
塩..........................少々
黒胡椒...................少々
ガランガル............1かけ *ショウガで代用可
レモングラス.........1本
コブミカンの葉.......2枚
春雨.......................40g
豆モヤシ................40g


①牛モツを約1時ほどゆっくり下茹でしておく ②フライパンに油をひいて、みじん切りにしたタマネギとニンニクを炒める。粗熱をとってから水、コリアンダーパウダー、ターメリックパウダーを加えてミキサーにかけ、再びフライパンで火入れしておく ③鍋に ガラスープ、塩、黒コショウ、皮を剝いてスライスしたガランガルと、約3㎝に切ったレモングラス、千切りにしたコブミカンの葉を入れて温める ④沸騰したところでひと口大に切った牛モツと②の黄色いソースを入れる ⑤再び沸騰したらそのスープを春雨と豆モヤシを入れた器に注ぎ入れる。お好みでレモンを搾る。



Shop Data
〈インドネシアレストラン チャべ目黒店〉
住:東京都品川区上大崎3-5-4 第1田中ビル 2F
電:03-6432-5748
休:日・祝




photography=MASAFUMI SANAI
text=MAKI TSUGA(TRANSIT)



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web記事ではここまでのご紹介。「TRANSIT 53 世界のスパイスをめぐる冒険」を読めば、人間とスパイスの長くて深い関係がよくわかるはず。誌面でスパイスの旅を楽しみつつ、日々の暮らしにスパイスを取り入れる世界の知恵もみえてきます。




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