9月15日(水)発売の最新号
スパイス特集の中身をチラ見せ!
【53号 世界のスパイスをめぐる冒険】

Info | 2021.09.08

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"スパイスカレー"に魅了される人がぞくぞく増えています。カレーの他にも、ピリリと痺れる辛さが効いた中国の料理や、香り高いスパイスが味の要のエスニック料理に虜となった経験がある人も多いのではないでしょうか。和食にしても、サビ抜きの寿司は味気ないと感じることもよくあること。世界中にスパイスを取り入れた食文化があり、原産地だけでなく、遠くの国から運んできて自国の文化に取り入れた例もたくさんあります。私たちはなぜこれほどスパイスが効いた食べ物に心奪われてしまうのでしょうか。
スパイスのルーツを遡れば、料理だけではなく古代エジプトではミイラの保存に用いられていたり、中国では漢方薬として医療に処方されてきた歴史も残されています。大航海時代にはスパイス原産地の利権をめぐりスパイス戦争なるものも巻き起こりました。人類は、スパイスとともに人生を、歴史を歩んできたともいえるでしょう。これほど人びとを夢中にさせるスパイスについて、世界をめぐり、時代を遡ることで、その魅力の秘密を解き明かした1冊です。




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スパイスといえば欠かせないのがインド料理。香辛料貿易の拠点として栄えてきたインド西岸に位置するゴアに、インドの伝統的な手法で在来の食材の味を引き出すレストラン〈Edible Archives〉がオープンしたと聞き、シェフを訪ねました。スパイスを「香りの虹」ととらえる、彼女のフィロソフィーを知れば、歴史のなかでさまざまな文化が交差したインド西岸で育まれた、食の記憶に触れることができます。




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周辺に少数民族の村が多数存在し、13世紀末〜20世紀にはラーンナー王朝が花開いた、タイ北部の都市、チェンマイ。中国の雲南地方にも接し、多様な民族のスパイス料理が味わえる街です。独特の優しさを感じるこの街の虜になり、20年もこの地に暮らす古川節子さんが、スパイスをキーワードにチェンマイ近郊をめぐり、都市と田舎と、さまざまな場所で根付くスパイス文化に出合いました。




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場所は移り、中東の小国・バーレーンでもスパイスのある日常を切り取りました。バーレーンは大航海時代よりはるか昔から、イスラーム商人たちの交易の交差点として、インドや中東、アフリカなど各地の文化が入ってきました。バーレーンに家族と暮らす青年写真家・Ali Al Shehabiさんが、家庭や街、そして歌や言葉など日々の暮らしのあちこちに残されたスパイスの存在を改めて見つめ直しました。




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豊かな長い文明史をもつ中国では、独自の医療が高度に発展しています。根底にあるのは「医食同源」という考え方。スパイスは食に彩りを与えるだけでなく、心身の健康に寄与するものとして扱われてきました。中国のなかでも、美食の町として知られる広東省の広州と、多様な唐辛子を使う湖南省を、広州生まれの若き写真家・王 偉戎さんが旅し、長い歴史に裏付けられた豊かなスパイス使いをレポートします。




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日本国内でも、スパイスをめぐる旅に出ました。沖縄・やんばるでスパイスを栽培する人と、そこのスパイスを使った料理を出すポップアップレストランをはじめたシェフを訪ね、畑で、キッチンで、彼らのあくなき探究心に触れています。スパイスブームの先にある可能性に思いを馳せました。




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ほかにも1999年からカレー専門の出張料理人として活動をはじめ、幅広く探求・活動を行う水野仁輔さんが、カレーのルーツをめぐって訪ねた17の国と地域の旅の記録を寄せてくれました。




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スパイスについて、あらゆる視点で深掘りした企画も充実しています。例えば、スパイスは紀元前から人類の暮らしに登場し、時に歴史を動かすほどのパワーを発揮しました。「香辛料の歴史講座」では、スパイスへの人類の欲望がもたらしたものをひも解きました。




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スパイスといえば、カレー。日本における国民食ともいえるほど普及したカレーは、うどんやラーメンにも応用され、給食に出てくるようなルーを使ったカレーから、スパイスから作るカレーなど、多様なカレーが食されています。日本人にとってカレーとは何か、識者へのインタビューなどを通じて大分析しています。




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他にも、インド・コルカタに度々滞在しているタブラ奏者のU-zhaanさんとめぐった東京スパイス旅や、漢方やアーユルヴェーダ、アメリカの先住民の伝統の中で生かされたスパイスとハーブの効用を紹介する企画、食用を超えてあらゆる薬効を見出し使われてきた植物を知る、アブナイ薬草学企画など盛りだくさんです。




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付録は世界の56種類のスパイスを紹介したポスターです。表は、各スパイスの植物のイラストを、裏には、実際の料理などに役に立つスパイスの基本情報やトリビアを掲載しています。



スパイスをめぐる世界旅行気分、そしてキッチンで役立つあれこれがつまった充実の1冊です。

お詫びと訂正