▶︎インタビュー 写真家・西山勲さん
初の写真集『Secret Rituals』
9/23発売、写真展も@学大、恵比寿

INTERVIEW | 2021.09.22

世界各地のアーティストのアトリエでかけて、作品が生み出される場を切り撮り、彼らの言葉を拾い集め、『Studio Journal knock』を編んできた西山勲さん。TRANSITでも、ブラジル、中米、ロシア、オーストリア、南インド、砂漠と......各地を旅してきた写真家さんでもあります。


そんな西山勲さんの初となる写真集が9月23日に発表されます。写真集の名前は『Secret Rituals』。制作を終えたばかりの西山勲さんに話を訊きました。


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―――『Secret Rituals』の発売おめでとうございます。これまで『Studio Journal knock』を7冊制作されていたので、写真集が初めてというのが驚きでした。


西山勲さん(以下、西山):『Studio Journal knock』は一枚一枚、写真を大きく扱っているので写真集のような感覚で手に取ることができますからね。それでもやっぱり、今回、写真集をつくっていて、雑誌とは別ものだなと感じました。


『Studio Journal knock』は、アーティストを訪ねていく旅をエリアごとに区切って、一冊でひとつのドキュメンタリーとして読んでもらえるような構成にしています。取材したアーティストがどんな場所で活動していて、どんな日常を送っているのか。文章と写真、デザイン表現の組み合わせによって、自分が感じた驚きや感動を伝えたいという思いで作っています。


一方、今回の写真集では、そうやって10年近く撮ってきた写真をいったんテーブルのうえにバラバラに広げてしまって、knockの文脈に縛られずにゼロから写真を選んでいきました。ベースはドキュメンタリーですが、そのなかで自分がいったいどんな物事に反応して写真を撮っているのか、そしてそのなかから選び取るのかという編集を通して、自分の写真について改めて深く知っていく作業なんだなと感じました。


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―――写真をはじめてから約10年ほど。その蓄積が『Secret Rituals』になっていると思いますが、タイトルにはどんな意味が込められているのでしょうか?


西山:写真を見返していくなかで、自分はひとが何かに没頭する姿を好んで撮影しているんだと気がついたんです。もう少しいえば、好奇心が起因となって人がとる行動とか、生じるものごとに面白みを感じるんです。たとえば、どこに発表するわけでもなく絵を描きためている画家の暮らしやその作品だったり、不思議なリズムで川に向かって延々と石を投げいれ続ける青年とか。当人にとっては人にいうまでもなく好きでやり続けていることなのかもしれないけれど、他者からするとそれはどこか儀式的な行為にも思えたりする。写真集のタイトル『Secret Rituals』は、そんな誰もがもつ好奇心が引き起こす日常のなかの神秘性のようなものをイメージしています。


いまはSNSで個人がなんでも発信できる時代。なにかを表したいという欲求はみんなもってるものだと思うんです。それは自然なことだけど、ときどき本来の自分の衝動が薄れてるんじゃないかって思い当たる瞬間がある。SNSがなかった時代って、誰かに伝えるでもなく、自分一人でなにかをしている時間がたくさんあったと思うんです。何かに没頭すること、人の目を気にせずに自分に従うことって、あぁいいなと。


『Studio Journal knock』でアーティストの取材をしていたのも、そういう部分とつながってくるのかもしれません。アーティストは自分が好奇心のあるものに対して、日頃からずっと考えつづけている人たち。その一部が創作物としてかたちになったり、ギャラリーで公開されたりする。でも制作物を世に出すことがゴールじゃない人もたくさんいて。アーティストでも、そうでなくても、本当は世の中にはそういう個人個人の大切な瞬間がいっぱいあるんじゃないか。なにかかたちにしてもしなくてもよくて。本を読むでもいいし。僕の場合は一人で絵を描いている時間が落ち着きますね(笑)。それってその人にとっての聖域みたいなもの。その瞬間を集めたかったのかもしれません。自分を楽しませるためにやることって、自分にとっても、他人との関わりにおいても、ちょっといいことなんじゃないかな。


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『Secret Rituals』
雑誌やWeb媒体で活躍する傍ら、世界中を旅しながら、自らの手で取材・編集・制作・発行を行い、世界各地で出会ったアーティストたちの日常をドキュメントしたビジュアル誌『Studio Journal knock』を発行する写真家・西山勲。
本作『Secret Rituals』は、著者が2013年~2019年にかけて世界各地の芸術家たち訪ね撮影した写真群で構成されています。創作の場で自らに内在する美と向き合う表現者たちの多様な営みが、親密な眼差しによって写し出されています。
この世界を深い洞察と独自の鋭い視点で捉える彼らが、創作と向き合いながら何を考え、食べ、何を夢みて眠るのかーーー。
自らの内側に潜り込み、言葉にならない感情と対峙し、表現することで生きていく彼らの人間模様を写真を介して紡いでいきます。
ひとが潜在的に持つ好奇心から引き起こされる様々な事象や、創作物が生み出される背景に興味を抱き、その対象として芸術家を被写体にした著者が、長い旅を通して出会った個性豊かな人物像や、その道程で目にした美しいランドスケープの数々を収めた一冊となっています。
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西山勲 写真集
『Secret Rituals』

発売日:2021年9月23日(木)発売
定価:4,950円(税込)
装丁:ハードカバー 192p
サイズ:H286mm x W224mm x D18.5mm
発行部数:限定1,000部
出版社:Sunnyside Press

※商品のお届けは9/23以降順次発送予定です。


▶︎販売サイト
knockmag.stores.jp/items/6132c3c9edf49f46f9a21c2a




写真展「Secret Rituals」
9/23(木)より、〈BOOK AND SONS〉にて、写真集発売を記念して同名の写真展「Secret Rituals」を開催。2013年~2019年にかけて世界各地の芸術家たちを訪ねて撮影した写真群で構成された本作。創作の場で自らに内在する美と向き合う表現者たちの多様な営みが、親密な眼差しによって写し出されています。本展示は〈BOOK AND SONS〉と〈PACIFIC FURNITURE SERVICE〉の2会場にて同時開催します。P.F.S.の「THE LIFE WITH PHOTOGRAPH...もっと自由に生活のなかで写真を楽しむ "写真のある生活" を」との思いから、家具とともに写真が展示されています。オリジナル家具の製造販売やスペースデザインを手がけるP.F.S.が、今回の展示に合わせて写真のオリジナルフレームを作成していて、写真も額装含めて購入することができます。良質な家具とともに写真をお楽しみください。


〈BOOK AND SONS〉
bookandsons.com/blog/secret_rituals.php
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〈PACIFIC FURNITURE SERVICE〉
www.pfsonline.jp/html/page96.html
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お詫びと訂正