海の向こうのローカル風土記 vol.1
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Info | 2021.09.30

私たちは日常のなかで海外の食品を何気なく、あるいは新しい味を求めて食卓に取り入れています。その食品一つひとつに、作り手のこだわりがあります。世界中で美味しい食材を見つけ出し、日本の食卓につなげているOVERSEASとともに、それらをひも解く連載が、TRANSITで始まりました。第1回は、みんなが大好きなイタリアのトマト缶についてです。

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生産地:イタリア・アグリ
ナポリから約50㎞南にあるサレルノの小さな町、アグリ。火山灰に埋もれた遺跡ポンペイが近くにあり、ヴェスヴィオ火山から染み出すミネラルたっぷりの土壌で生まれる素晴らしいワインも揃う。代表的なイタリアントマト、サン・マルツァーノなどの産地として名高い。



イタリアの自然を缶に込めて。


「美食、アート、伝統や歴史。すべてがここサレ ルノに集約されています」。そう話すのはイタリア国内外で日常的に愛されるトマト缶メーカー、 フェジャー・ジェラルド・フェラヨーリ社の責任者を務めるマウリツィオさん。工場のある南イタリアのサレルノは、古代ローマ人が "肥沃な大地 (カンパニア・テラ・フェリックス)"と名づけた地。
火山があり、海があり、ミネラル豊富な土壌がある。ローマ時代からの長い歴史のなかで、農業や漁業、それに伴う食文化が発展したのは必然だった。太陽がさんさんと降り注ぐこの地では、とく にイタリアントマトの栽培が盛ん。輝く真っ赤な トマトにちなんで「レッド・ゴールド地区」とも呼ばれているのだ。

マウリツィオさんの父親は、地元で採れたトマトなどの野菜を町から少し離れた市場やイタリア北部のミラノまで鉄道で運ぶ小さな店を経営していた。はじめは近くの氷工場から仕入れた氷を使用していたが、もっと簡単に、もっと新鮮な状態で長く保存できないかと考え、缶に詰める方法を 採用。1961年にフェジャー・ジェラルド・フェ ラヨーリ社が誕生した。


創業者である父のもって いた信念「La Natura in Scatola(=自然を缶に 詰め込む)」は今も常に自然をリスペクトするこ とを忘れない同社のコンセプトとして生きている。
夏場しか採れないトマト、自然が与えたこのシー ズナルな産物をもっとも自然な方法で保存したい。 そう思いトマト農家で昔から行われている製法を 参考にしたため、缶に詰め込む加工のプロセスは いたってシンプルかつナチュラルだ。
マンマやノ ンナ(おばあさん)が、朝一番にフレッシュトマトをことこと煮込んで作る料理用トマトの代わりとなる商品が完成した。


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世代を超えるファミリービジネス。


マウリツィオさんは小さい頃、トマト農家の畑仕事を夏の間よく手伝っていた。
「田舎の畑には納屋があって、ランチをそこで食べるんです。ある日、昼食にブカティーニ・アル・スゴ・ディ・ コンリーニョ(うさぎ肉のトマトソースパスタ)を出してくれました。ペコリーノチーズがかかった、できたてのトマトパスタです。新鮮な甘みを 感じるおいしさだったのを鮮明に覚えています」
嬉しそうに語るマウリツィオさんは、今でも各農家に足繁く通う。


契約農家や社員の一部には、創業当時から携わるメンバーの娘や息子たちもいる。まるでファミリーのような関係だ。創業者で ある父の代からサステイナビリティを大切にして きたが、それは自然へのリスペクトだけではなく、一緒に働く人たちを家族のような関係、まさに「ファミリービジネスだ」と言う。
何世代にもわたる人と人とのつながりが、このおいしいトマト缶を約2万㎞の道のりをへて、日本まで海を越えて運んでくれるのだ。


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今回お話を聞いた人: Mr. Maurizio Ferraioli


1961年からつづく老舗の食品加工会社、フェジャー・ジェラルド・フェラヨーリ社の創設者の子息で責任者。トマトパスタ、ピッツァマルゲリータが大好物。




〈THE LOCAL TIPS〉
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日本人の口に合う南イタリア料理


マウリツィオ氏が魚介類好きの日本人にぜひおすすめした いという、グアゼット・コン・カラマリ(イカのトマト煮)。みじ ん切りにしたニンニクをオリーブオイルで炒め、ラ・プレッツィ オーザのダイストマト缶とパセリを投入。数分火にかけたら 輪切りにしたイカを入れ、塩胡椒をして10分煮込む。仕上 げにフレッシュパセリを振りかければ完成!
濃縮された新鮮なトマトのうまみが味に奥行きを与えるから、シンプルかつ素材を生かした料理にこそ最適。






illustration= HITOSHI KUROKI
text= ALICE KAZAMA


 



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ラ・プレッツィオーザ ホール/ダイストマト缶


収穫したてのトマト&濃縮トマト ジュースを缶詰に。ホールとダイ ス、料理に合わせて使い分けられるよう2種類を展開。ホールには 細長いトマト、ダイスには丸みを 帯びたトマトが使われている。
※写真はホールトマト缶


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